「広島2-3阪神」(29日、マツダスタジアム) ピンチで輝く切り札が勝敗の行方を分けた。何かが起こる…そんな不安を阪神・及川が6球でかき消し、石井は開幕2戦目のイニングまたぎに結果で応えた。屋台骨を支える仕事人がチームに連勝を呼んだ。「オ…
「広島2-3阪神」(29日、マツダスタジアム)
ピンチで輝く切り札が勝敗の行方を分けた。何かが起こる…そんな不安を阪神・及川が6球でかき消し、石井は開幕2戦目のイニングまたぎに結果で応えた。屋台骨を支える仕事人がチームに連勝を呼んだ。「オヨ、おめでとう」。帰路に就く藤川監督もリリーフ左腕の1勝に感謝が尽きなかった。
2人の出番は常に突然だ。同点で迎えた五回。2番手で登板した工藤の制球が定まらない。2死から3連続四球で押し出しを許すと、続く秋山の打席で指揮官は及川をコールした。2死満塁。1球の失投が命取りになるピンチで「開き直るしかない」と初球、2球目と強気の直球勝負を挑む。
「展開的にもすごく大事な場面だったので、絶対に追加点を与えないようにという思いでした」
渾身(こんしん)の直球で秋山を見逃し三振に仕留め、マウンド上では激しくガッツポーズを見せた。鼓舞された野手陣が直後に逆転に成功。1点をリードすると代わった石井は、広島の攻撃を3人で封じた。ここでお役御免と思いきや、ベンチに帰ると「次もいくぞ」と続投を告げられた。22年8月4日の巨人戦(東京ド)以来となる打席に立ちながら2イニング目の登板を想定した。
「イニング間のキャッチボールができないので、投球練習をしっかり…5球を大事にしようと。すごく勉強になりましたし、次の糧にもしたいと思いますね」。回またぎは24年5月23日の広島戦以来。開幕2戦目の執念采配を勝利に変えた。ヒーローは森下に譲ったが、勝利に欠かせなかった殊勲の2人。開幕ダッシュが見えてきた。
◆石井、プロ入り2打席目 六回から登板した石井が、七回表1死二塁の場面で打席に入った。これが2022年8月4日の巨人戦(東京ド)以来となるプロ2打席目。ちなみにプロ初打席は、山崎伊に対して一ゴロに倒れている。