「広島7-1中日」(15日、マツダスタジアム) 勢いが止まらない!広島・末包昇大外野手(28)が今季初の3安打。チームを5連勝と本拠地8連勝へと導いた。初回、三回と2打席連続で適時打を放って、1試合3打点と躍動。14打点でセ・リーグ単独ト…
「広島7-1中日」(15日、マツダスタジアム)
勢いが止まらない!広島・末包昇大外野手(28)が今季初の3安打。チームを5連勝と本拠地8連勝へと導いた。初回、三回と2打席連続で適時打を放って、1試合3打点と躍動。14打点でセ・リーグ単独トップに躍り出た。頼れる右の主砲が、首位固めに尽力していく。
巡ってきた好機は逃さない。そして末包の快音が止まらない。試合の主導権を握る一打に加え、効果的な追加点で流れを加速させた適時打。「(打席で)割り切ってできていると思う」と冷静に振り返った男が、堂々の主役を張った。
勝負どころを抑えた打撃が光った。まずは初回2死一塁でマラーの148キロを捉えた。打球は右中間を真っ二つに破り、先制の適時二塁打になった。直球主体に攻められた前回8日の対戦を思い返し、頭を整理。「前回もそういう入りが多かった。2死だったので、割り切っていってみよう」という意識が奏功した。
1点差に迫られた三回は1死二、三塁。2球目のチェンジアップを空振りして迎えた3球目だった。「もう1球、チェンジアップが来るかなと思ったが、追い込まれてしまった。あまり考え過ぎず、浮いてきたら何とかしようというイメージでした」とバットを折られながら、右前に運んで2人の走者を生還させた。
四回2死一塁では左前にはじき返して今季初の猛打賞。5戦連続安打にもなった。新井監督は「(4番ではなく)まだまだ“4番目”。でも、いいバッティングだった」と称賛した。出場11試合で14打点を稼ぎ、リーグ単独トップに浮上。ポイントゲッターとしての役目を果たす裏には、思考の変化があった。
開幕3連戦は出番がなく「悔しさは正直ありました」と率直な心境を明かした。ただ、悔しい気持ちを抱くだけではなかった。4月1日のヤクルト戦が雨天中止となり、打開策を自問自答した。
「じゃあ、自分がどこで出るんだと冷静に考えた。悔しいだけで終わらないように。出た時にどういう仕事をすればいいのかなと。前のめりになっていたけど、そこから一歩引いて楽に物事を捉えるようになりました」と明かす。
直近2年は不振とケガもあって、4月に1軍にいなかった。この時期の1軍帯同はプロ1年目以来。「最初から1軍にいられること自体が僕にとっては久しぶりで、うれしいこと。気負わずやれている」。心の持ちようも好結果を支えている。
チームは開幕カードで阪神に2連敗したものの、本拠地では3月30日から破竹の8連勝を記録した。「満足せず、これからも頑張っていきたい」と末包。スケールアップした右の大砲が4月戦線を熱く盛り上げていく。
◆マツダ8連勝 新井カープはこの日の勝利でマツダスタジアムで8連勝。今季は開幕戦と開幕2戦目で阪神に連敗した後から本拠地で連勝を続けている。マツダ8連勝は9連勝した24年7月12日・ヤクルト戦~8月12日・DeNA戦以来。