「ヤクルト1-5阪神」(15日、坊っちゃんスタジアム) 坊っちゃんスタジアムのレフトスタンドにタイガースの旗が揺れる。阪神・佐藤輝明内野手は三塁上で何度も手をたたく。「試合の中ですごく大きな点になったのでよかった」。新4番の価値ある一打に…

 「ヤクルト1-5阪神」(15日、坊っちゃんスタジアム)

 坊っちゃんスタジアムのレフトスタンドにタイガースの旗が揺れる。阪神・佐藤輝明内野手は三塁上で何度も手をたたく。「試合の中ですごく大きな点になったのでよかった」。新4番の価値ある一打に松山の虎党は大いに沸いた。

 13日の中日戦(甲子園)ではスタメンの4番に名前を記されたが、試合は雨天中止に。この日が正真正銘の今季初、昨年8月27日・DeNA戦(横浜)以来の4番スタメンだった。

 1、2打席目ともに、好機で奥川のフォークに空振り三振。もちろんただでは終われない。1点リードの六回1死一塁。追い込まれてからの5球目、145キロ外角直球を最後は右手一本で振り抜いた。打球は右中間を破る。中堅・西川が打球処理にもたつく間に一走・森下は一気に生還。佐藤輝も三塁を陥れた。

 大きな追加点を挙げ、そこから打線は一挙4得点。自身は5戦ぶりの打点、そして4番として昨年8月23日の広島戦(マツダ)以来の打点に。「修正というか(奥川に)いいところに投げられていたので、最後の打席を打ててよかった。長打になったのでよかった」と充実の笑顔を見せた。

 同学年の才木を思った一打でもあった。右腕が今季初登板した1日・DeNA戦では4打数無安打3三振。2登板目の8日・ヤクルト戦は体調不良の影響で代打出場も空振り三振と、今季はまだ援護できずにいた。自身のバットで初勝利をプレゼントし、「才木がナイスピッチングをしてくれていましたし、展開的にも追加点が欲しい場面だったので、いいタイムリーが打ててよかった」と胸をなで下ろした。

 森下、佐藤輝、大山の中軸3人が打点を挙げ、打線がいいつながりを見せた一戦だった。3人が打点をマークした試合は1分けを挟み、これで16連勝。野球王国・愛媛で4番の役割を果たしたが「やることは変わらない。もっと打てるように頑張る」と頼もしい。最後は「鯛めしおいしかったです」とちゃめっ気たっぷりに帰路についた。

 ◆クリーンアップ打点そろい踏み 阪神は3番・森下、4番・佐藤輝、5番・大山が1打点ずつを挙げた。この3人がそろって打点をマークしたのは、4月2日のDeNA戦、4日の巨人戦に次いで今シーズン3度目となる。また、3人そろって打点を挙げた試合は、23年9月8日の広島戦から1分けを挟んで16連勝となった。

 ◆佐藤輝、先発4番打者で打点 佐藤輝が今シーズン初めて4番打者で先発した。4番で先発したのは、24年8月27日のDeNA戦(横浜)以来。また、4番打者として打点をマークしたのは、24年8月23日の広島戦(マツダ)で2打点を挙げて以来となる。