◇メジャー初戦◇マスターズ◇オーガスタナショナルGC(ジョージア州)◇7555yd(パー72)初めての「マスターズ」取材は、前週の「オーガスタ女子アマ」から始まった。5日(土)の決勝ラウンドを取材するため、前日の金曜日にオーガスタナショナ…

初めての「マスターズ」取材を終えて

◇メジャー初戦◇マスターズ◇オーガスタナショナルGC(ジョージア州)◇7555yd(パー72)

初めての「マスターズ」取材は、前週の「オーガスタ女子アマ」から始まった。5日(土)の決勝ラウンドを取材するため、前日の金曜日にオーガスタナショナルGCへ。到着は日の出前の午前6時半。よし、コース内で使用不可のスマートフォンもバッグにしっかり収納したぞ。いざセキュリティチェックを受けて暗闇の道を進むと、明るく照らされた白い外観のプレスビルディングが見えた。早朝から深夜までお世話になる、私たち報道関係者の仕事場だ。

場内に一歩入ると、厳格な雰囲気に背筋が伸びる。緊張しながらも心躍るのは、ギャラリーの通称“パトロン”たちも一緒のよう。走ることが禁止の場内からは、あちらこちらから大会スタッフの「No Run(走るな)」という声が聞こえてくる。グッズの品ぞろえが豊富とされる翌日曜日の午前7時、お叱りを受けてなのかゲートオープンと同時に乱れることなく五列横隊でショップへと向かって行く光景には圧倒された。

ショップに入るまでの行列は、まるで遊園地のアトラクションに並ぶ観光客のよう

印象的だったのは、会場内の多くの人々が思い思いにグリーンの衣類などを身にまとっていたこと。そう、言わずとしれたマスターズカラーだ。過去大会のキャップやウェア、バッグを持つ人がいれば、お手製の“グッズ”を作ってきた人まで…。

お手製のシューズを履いて働く大会スタッフ

プレスビルディングから練習場とコースへのカート運転を務めていたボランティアの女性が履いていたのが、見たことのないマスターズ仕様のシューズだった。聞けばハンドメイドだそうで、「写真を撮らせて!」と言うと、ちょっぴり恥ずかしそうにしながらポージングしてくれた。女性の中には、カチューシャにビーズで大会ロゴを縫いつけている人もいた。みんな心底マスターズを愛しているんだなぁ。

手間ひまかけて作った自慢の一品

今年もゲーリー・プレーヤー(南アフリカ)、ジャック・ニクラストム・ワトソンのオナラリースタート(始球式)で開幕した2025年大会。ロリー・マキロイ(北アイルランド)が17度目の出場で初優勝を飾り、タイガー・ウッズ以来25年ぶりのグランドスラム(4大メジャー全制覇)達成という偉業で締めくくられる、盛りだくさんの1週間だった。歴史的なシーンに立ち会い、気分良く帰国したいところだけれど、自宅に戻った頃にはお土産代の請求書が届いていそうで…。この夢心地が冷めてしまわないか、戦々恐々だ。(ジョージア州オーガスタ/石井操)