「健康診断で血圧・血糖・中性脂肪・悪玉コレステロールなどの数値が気になっていませんか?そのような場合「○○によい食べ物」や「○○を下げる健康食品」をとり入れようと考えるかもしれません。しかしその前に、1番に取り組みたい健康法があります。ど…
「健康診断で血圧・血糖・中性脂肪・悪玉コレステロールなどの数値が気になっていませんか?そのような場合「○○によい食べ物」や「○○を下げる健康食品」をとり入れようと考えるかもしれません。しかしその前に、1番に取り組みたい健康法があります。どのような方法なのか、またどのように取り組むとよいのか、ぜひ知っておきましょう。
まず取り組みたい健康法は「減量(ダイエット)」
健康診断の数値が気になりはじめた方がまず取り組みたいのは、ずばり「減量(ダイエット)」です。
減量の効果は「お腹周りや見た目をすっきりさせる」「体重を減らす」だけなのでは、と思うかもしれません。しかし、減量により健康診断の数値を改善する効果も期待されているのです。
肥満度指数であるBMIが25以上(肥満)の方だけでなく、肥満ではなくても20歳から10kg以上増加している方も、効果が期待されている方法です。
減量により、なぜ改善する?
血圧・血糖・中性脂肪・悪玉コレステロールなどの数値を上げる原因のひとつとなるのが、お腹周りの内臓脂肪です。内臓脂肪が蓄積すると、下記の影響により数値が上がりやすくなることが知られています。
・血圧:内臓脂肪から血圧を高める物質が分泌される
・血糖:内臓脂肪からインスリン(血糖値を下げるホルモン)の効きを悪くする物質が分泌される
・中性脂肪・悪玉コレステロール:内臓脂肪が中性脂肪を増やして善玉コレステロールを減らし、悪玉コレステロールが増える
このように、内臓脂肪が増えてしまうと、数々の悪影響をもたらします。1~3%程度の減量を行い内臓脂肪を減らすことで、これらの数値が有意に改善することが知られています。
また、減量するために食事内容が整うことにより、数値を上げる原因となっている食べ物を減らせることも、改善につながる理由のひとつです。
尿酸値や脂肪肝、睡眠の質の改善にも
肥満の方が減量することにより、先ほど紹介した数値の改善以外にも、尿酸値・脂肪肝・閉塞性睡眠時無呼吸症候群の改善など、さまざまな健康へのメリットが期待できます。
また見た目がスッキリしたり、着られなくなった洋服が再び着られるようになったりするなど、健康以外のメリットもあるのではないでしょうか。また栄養バランスが整うことで、疲れにくくなるなどのメリットも期待できるでしょう。
どのくらい減量すると改善する?
肥満のある方は、現状の3%以上を3~6カ月かけて減量することを目標にすると、効果が期待で
きると考えられています。例えば60kgの方は1.8kg以上、70kgの方は2.1kg以上、80kgの方は2.4kg以上が目安になります。
減量というと「10kg以上を目標に」や「20歳のころと同じ体重に」などと考えるかもしれませんが、まずは「2~3kgから」と考えると、取り組みやすいのではないでしょうか。ぜひ減量に向けたはじめの1歩を踏み出してみましょう。
無理なく行えて健康&スリムに!おすすめの減量法とは
「減量」というと、厳しい食事制限やハードな運動などが必要なのでは、と思う方もいらっしゃるかもしれません。確かにそのような方法は高い効果が期待できますが、長続きしづらく、リバウンドをするデメリットが考えられます。
無理なく続けられる方法を選んで、じっくり体重を減らせるように取り組んでみましょう。
減量の基本は、食べすぎているもの(間食、脂っこいもの、お酒、甘い飲み物など)の量や頻度を見直すこと。そして、野菜やきのこ、海藻、大豆製品などのヘルシーなものを増やすことです。
まずは自身の食生活を振り返ってみて、できるところからはじめてみましょう。
「○○によい食べ物」をとり入れるのは、手軽な方法ではありますが、まずは数値を上げる原因となっている食事や運動習慣を見直し、減量することが大切です。健康診断の結果が気になりはじめたら、さまざまなメリットが期待できる減量の取り組みをスタートさせてみましょう!
【参考・参照】
一般社団法人日本肥満学会「肥満症診療ガイドライン2022」
[文:あすけん 管理栄養士 公開日:2024年09月12日]
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
【関連記事】足がつる中高年必見!寝てる時に足がつる原因と予防法とは
【関連記事】あなたの肺は大丈夫?3つ以上当てはまる人は危険!肺の機能低下を知るためのチェックリスト
【関連記事】腎臓内科医が教える「コレステロール値の注目ポイント」。大切なのは善玉と悪玉の比率