「柔道・全日本選抜体重別選手権」(6日、福岡国際センター) 6月の世界選手権(ブダペスト)代表選考を兼ねて、7階級が行われた。男子100キロ級では新井道大(20)=東海大=が、決勝で増地遼汰朗(京葉ガス)に延長戦の末に一本勝ちし、初優勝を…

 「柔道・全日本選抜体重別選手権」(6日、福岡国際センター)

 6月の世界選手権(ブダペスト)代表選考を兼ねて、7階級が行われた。男子100キロ級では新井道大(20)=東海大=が、決勝で増地遼汰朗(京葉ガス)に延長戦の末に一本勝ちし、初優勝を飾った。男子90キロ級は、昨年世界選手権覇者の田嶋剛希(パーク24)が3年連続3度目の制覇。女子70キロ級では、田中志歩と寺田宇多菜(ともにJR東日本)が決勝で指導3による両者反則負けで、異例の優勝者なしとなった。

 20歳の新星が頂点に立った。新井は1回戦を反則勝ち、準決勝は優勢勝ちで突破。迎えた決勝は技の掛け合いで延長戦に突入する熱戦が続いたが、最後は豪快な内股で相手を投げ切って勝利をつかんだ。

 実は大会2週間前にノロウイルスに感染。1週間ほど寝込むアクシデントに見舞われたが、父・丈夫さんに「絶好調すぎると自分の考えていないことが起こる。逆に調子が悪い方が周りを気にして余裕が生まれる」と励まされて奮起した。初優勝をつかみ「ほっとしたし、本当にうれしかった」と目に涙を浮かべた。

 パリ五輪は国際大会でつまずき、代表入りを逃した。21年東京五輪金メダルのウルフ・アロン(パーク24)が6月での現役引退を表明している今、100キロ級の1番手として新井に28年ロサンゼルス五輪での活躍に期待がかかる。

 まずは代表入りした目の前の世界選手権で、銅メダルだった前回大会のリベンジを狙う。「まだ弱いし、スタミナもない」と課題を挙げつつ、「ここで満足しているようではだめ。体調面で気を付けていきたい」と見据えた。