ボクシングのLUSH緑ジムは28日、同ジム所属のIBF世界フライ級王者・矢吹正道が、3月13日に両国国技館で行われた寺地拳四朗(BMB)VSユーリ阿久井政悟(倉敷守安)によるWBC&WBA世界フライ級王座統一戦のリング上で、日本ボクシング…

 ボクシングのLUSH緑ジムは28日、同ジム所属のIBF世界フライ級王者・矢吹正道が、3月13日に両国国技館で行われた寺地拳四朗(BMB)VSユーリ阿久井政悟(倉敷守安)によるWBC&WBA世界フライ級王座統一戦のリング上で、日本ボクシングコミッション(JBC)の冨樫光明リングアナウンサーによって名誉を毀損されたとして、JBC評議委員会議長の北原義一氏に謝罪を要請していることを発表した。

 要請文によると、同試合のリング上において、リングアナウンサーの選手コールにより「矢吹正道の名誉は著しく毀損されました」とし、「日本人チャンピオン同士の世界王座統一戦というボクシング界のみならず一般社会においても非常に注目度の高く、日本だけでなく、世界配信されている中で、無異論JBCとして萩原実理事長、安河内剛事務局長も立ち会っている中での矢吹への著しい名誉毀損であります」と、憤りが綴られた。

 当該試合で、富樫氏は選手コールの際、寺地の戦績を紹介する上で「25戦24勝。敗戦は議論の余地が残る世界タイトルマッチで喫した1敗のみ」とアナウンス。21年9月、当時WBC世界ライトフライ級王者だった寺地が、挑戦者の矢吹に10回TKO負けした一戦に触れ、疑義を挟むようなニュアンスとなってしまった。

 LUSH緑ジムによれば、3月17日に抗議文が提出されたが、JBCで倫理委員会の開催や関係者への処分はなく、「矢吹の名誉回復の措置が講じられておりません」という。今回、改めて5月2日までに(1)JBCから矢吹への謝罪、(2)冨樫氏のJBC事務局員としての処分、(3)冨樫氏の試合役員としてのライセンス上の制裁、(4)(1)~(3)についてJBC公式ホームページ上での広報、(5)冨樫氏から矢吹へ対面での謝罪の5点を要求。期限までに真摯(しんし)かつ正当に履行されない場合は「法的手段もやむを得ない」とした。

 JBCは同日、デイリースポーツの取材に、矢吹陣営から要請文書を受領したことを認めた。関係者は「文書の内容を精査した上で、今後の対応を協議する」とした。