2021年に活躍が期待できる注目のサッカースターたちを、5人の識者に挙げてもらい、ランク付け。欧州サッカーで長く変わらないメッシ&ロナウド時代を終わらせる大スターが現れるのか、それとも偉大なふたりの活躍がまだまだつづくと見るか。注目の上位1…
2021年に活躍が期待できる注目のサッカースターたちを、5人の識者に挙げてもらい、ランク付け。欧州サッカーで長く変わらないメッシ&ロナウド時代を終わらせる大スターが現れるのか、それとも偉大なふたりの活躍がまだまだつづくと見るか。注目の上位10選手を発表する。
4位 ジョアン・フェリックス
(ポルトガル/FW/アトレティコ・マドリード/1999年11月10日生まれ/181cm、70kg)
長くつづく「メッシ・ロナウド時代」を"転覆"させられるファンタジスタ候補の筆頭だろう。
ポルトガル代表FWジョアン・フェリックスは、現代のサッカー選手として最も非凡で、コンプリートな能力を備えている。スペース、人、ボールの位置関係を見極めるビジョンに優れ、迅速に最善のプレーを決断。その際の精度は折り紙付きで、創造性を匂わせる。そして多くのファンタジスタは意外にもシュートを苦手とするが、ジョアン・フェリックスはゴールで締めくくれる。
ディエゴ・シメオネ監督のアトレティコ・マドリードは規律が多く、現状では本領は発揮しきれていない。
しかし、ジョアン・フェリックスがボールを受けた時の輝きは眩しい。2、3人を抜き去って、シュート。あるいは、玄人を唸らせるトラップ、ボレーなどスペクタクル満載。今シーズンは、前半MVPに名前を挙げる人も少なくない。
時代の寵児が真価を見せるのはこれからだ。(小宮良之)
爆発的な得点力が魅力のハーランド
2位 アーリング・ハーランド
(ノルウェー/FW/ドルトムント/2000年7月21日生まれ/194cm、87kg)
194㎝、87㎏の巨体。それでいて速い。多彩というほどではないがテクニックもある。左足のシュートは、有無を言わさぬ芯を食った一撃もあれば、丁寧に転がすコースだけを狙う形も。入るシュートを知っている。
2019年U-20ワールドカップのホンジュラス戦(12-0)ではひとりで9得点。何と言ってもこの得点力が魅力だ。いくら実力差があっても、ひとりで9ゴールもとれるものではない。ゴールへの意欲とセンスが並外れている証拠だ。
ズラタン・イブラヒモビッチ(スウェーデン)やロメル・ルカク(ベルギー)と似た、破格系ストライカーである。20歳の若さは魅力だ。まだ粗削りなところがある分、のびしろも大きい。そうそういるタイプではない。(西部謙司)
2位 クリスティアーノ・ロナウド
(ポルトガル/FW/ユベントス/1985年2月5日生まれ/189cm、85kg)
つい先日のイタリア・スーパーカップで、全公式戦のキャリア通算得点数を760とし、ヨーゼフ・ビカンの記録を塗り替え(ペレとロマーリオはもっと前に抜いている)、ついに史上最多得点者となった。
この2月に36歳となるが、本人は「まだまだ何年もやれる」と自信満々。2022年W杯優勝を夢に掲げるCR7には今年、ユーロ連覇がかかっている。
その前に、アンドレア・ピルロ新監督の下で、ユベントスのリーグ10連覇と1996年以来のチャンピオンズリーグ(CL)制覇(本人にとっては2018年以来)に挑む。ユーロとCLで優勝すれば、間違いなく6度目のバロンドールを受賞することになるはずだ。
多くの常識を破ってきた正真正銘のスーパースターが、さらなる金字塔を打ち立てるか。(井川洋一)
1位 リオネル・メッシ
(アルゼンチン/FW/バルセロナ/1987年6月24日生まれ/170cm、72kg)
筆者は10代の頃の彼にインタビューをしている。気難しそうな少年という印象だった。
「ポーズをとって」
カメラマンが言うと、彼はすげなく断った。
「自分はサッカー選手だから」
少年はそう言ってつづけた。
「ボールを持った時は無敵に感じる。なんでもやってのけられる。その時の自分がすべて。自分はピッチで"話をする"」
リオネル・メッシは、当時からリオネル・メッシとして完結していた。
ピッチでの輝きは誰もかなわない。「武器は何か?」。サッカー界ではそんなやりとりで選手の能力を図るが、彼には無意味である。ボールタッチ、加速、足の振り、間合い、連係などすべてが超人的。あらゆるプレーを革新させ、サッカー界に革命を起こしてきた。例えば7度リーガ得点王に輝き、シーズン50得点は快挙だが、その数字すら"備考"なほどだ。
「無敵」
まさにメッシへの称号で、記憶となるだろう。(小宮良之)
5人の識者に、それぞれ順位をつけながら今年の注目選手10名を選んでもらい、1位10ポイント、2位9ポイント、3位ポイント......10位1ポイントとし、その合計でランキングをつくった
<各識者のランキング>
杉山茂樹氏の注目スターランキング
1位 フィルジル・ファン・ダイク(オランダ/リバプール)
2位 マタイス・デ・リフト(オランダ/ユベントス)
3位 フレンキー・デ・ヨング(オランダ/バルセロナ)
4位 ジョアン・フェリックス(ポルトガル/アトレティコ・マドリード)
5位 メンフィス・デパイ(オランダ/リヨン)
6位 ジョルジニオ・ワイナルダム(オランダ/リバプール)
7位 ケビン・デ・ブライネ(ベルギー/マンチェスター・シティ)
8位 アーリング・ハーランド(ノルウェー/ドルトムント)
9位 ジェイドン・サンチョ(イングランド/ドルトムント)
10位 ロベルト・レバンドフスキ(ポーランド/バイエルン)
小宮良之氏の注目スターランキング
1位 リオネル・メッシ(アルゼンチン/バルセロナ)
2位 クリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル/ユベントス)
3位 ジョアン・フェリックス(ポルトガル/アトレティコ・マドリード)
4位 ミケル・オジャルサバル(スペイン/レアル・ソシエダ)
5位 ペドリ(スペイン/バルセロナ)
6位 マルコ・アセンシオ(スペイン/レアル・マドリード)
7位 アンス・ファティ(スペイン/バルセロナ)
8位 久保建英(日本/ヘタフェ)
9位 ウナイ・シモン(スペイン/ビルバオ)
10位 マルティン・スビメンディ(スペイン/レアル・ソシエダ)
中山 淳氏の注目スターランキング
1位 キリアン・エムバペ(フランス/パリ・サンジェルマン)
2位 アーリング・ハーランド(ノルウェー/ドルトムント)
3位 ロベルト・レバンドフスキ(ポーランド/バイエルン)
4位 リオネル・メッシ(アルゼンチン/バルセロナ)
5位 クリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル/ユベントス)
6位 ネイマール(ブラジル/パリ・サンジェルマン)
7位 モハメド・サラー(エジプト/リバプール)
8位 サディオ・マネ(セネガル/リバプール)
9位 ソン・フンミン(韓国/トッテナム)
10位 ハリー・ケイン(イングランド/トッテナム)
井川洋一氏の注目スターランキング
1位 クリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル/ユベントス)
2位 リオネル・メッシ(アルゼンチン/バルセロナ)
3位 ズラタン・イブラヒモビッチ(スウェーデン/ミラン)
4位 ロベルト・レバンドフスキ(ポーランド/バイエルン)
5位 久保建英(日本/ヘタフェ)
6位 マーカス・ラッシュフォード(イングランド/マンチェスターユナイテッド)
7位 ソン・フンミン(韓国/トッテナム)
8位 アーリング・ハーランド(ノルウェー/ドルトムント)
9位 冨安健洋(日本/ボローニャ)
10位 カーティス・ジョーンズ(イングランド/リバプール)
西部謙司氏の注目スターランキング
1位 アーリング・ハーランド(ノルウェー/ドルトムント)
2位 レロイ・サネ(ドイツ/バイエルン)
3位 ジョアン・フェリックス(ポルトガル/アトレティコ・マドリード)
4位 キリアン・エムバペ(フランス/パリ・サンジェルマン)
5位 トレント・アレクサンダー=アーノルド(イングランド/リバプール)
6位 エドゥアルド・カマビンガ(フランス/レンヌ)
7位 アルフォンソ・デイビス(カナダ/バイエルン)
8位 ジェイドン・サンチョ(イングランド/ドルトムント)
9位 ペドリ(スペイン/バルセロナ)
10位 カイ・ハフェルツ(ドイツ/チェルシー)