専門誌では読めない雑学コラム木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第271回 せんだって、新型コロナウイルス感染拡大の第2波が来るちょっと前、沖縄へゴルフの取材に行ってきました。タイミング的には微妙なところでしたが、変更不可のチケットを取っていた…

専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第271回

 せんだって、新型コロナウイルス感染拡大の第2波が来るちょっと前、沖縄へゴルフの取材に行ってきました。タイミング的には微妙なところでしたが、変更不可のチケットを取っていたので、決行することにしました。

 結果的には、間一髪セーフでした。なにしろその直後に、沖縄県の米軍基地でクラスターが発生。また、同県内での新規感染者数が一気に増加して、県独自の「緊急事態宣言」発令にまで至りましたからね。

 私たちが行った時は、そこまで深刻な状況ではありませんでしたが、東京では徐々に感染者が増えていたので、取材現場は緊張感が漂っていました。「エメラルドブルーの海がきれい」などと、SNSでつぶやく余裕もありませんでしたね。ともあれ、徹底した感染防止策を施して、東京に戻って来てからも体に異変が起きていないので、安堵しております。

 それにしても、沖縄県での感染拡大のスピードには驚きました。今となっては、ヒステリックになっている方もたくさんいるようで、当分沖縄には行けませんね......。

 ヒステリックと言えば、元体操選手で金メダリストの森末慎二さんは、宮古島に別荘を持っているのですが、地元の住民の方から「東京に帰ったら、こっちには戻って来ないでね」「戻って来たら、島の人を殺すことになる」などと言われたとか。このことはネットニュースでも話題となりましたが、マジで"自粛警察"恐ろしや、ですね。

 実は以前、森末さんの宮古島の別荘にお邪魔させてもらったことがあります。なかなか立派なお家で、森末さんは毎月1週間ぐらいは滞在しているそうです。だから、森末さんはれっきとした宮古島の住人なんですよ。

 ただ、そんなことを言っても、現地の人は聞く耳を持たないのでしょうね。私も故郷となる宮城県の家族や友人たちからは、「コロナが感染するから来ないでね」状態にあって、この夏は帰省することはできませんでした。マジ、つらいです......。

 今ほど酷くはありませんでしたが、沖縄に行った時は、我々も少なからずびくびくしておりました。いきなり驚かされたのが、飛行機の座席です。これだけ新型コロナウイルスの感染拡大が騒がれているのに、まったく座席の間隔を空けておらず、どこも隣の席に人がいる状態でした。

「飛行機は2、3分で機内の空気が入れ替わって、換気がいいので安全です」みたいなことを言うけど、それだけ空気の流れが激しいってことでしょ。誰かが咳やくしゃみをしても大丈夫なのか? そこら辺の仕組みがよくわからないので、ちょっと心配になりました。

 そんなことを思っていたら、実際に国内線の機内において、座席の前後にいた人から新型コロナウイルスに感染した、というニュースが飛び込んできました。やっぱり、感染リスクがあるじゃん。

 そう考えると、東宝系の映画館の座席配置は理想的かもしれません。同シアターでは、感染予防対策として、1席空けてお客さんを座らせています。加えて、換気についても、きちんと対策が施されているそうです。

 ならば、飛行機も座席を1席ずつ空けて、お客さんを座らせたほうがいいと思うのですが、座席の半分を空けて運航したら、激安運賃客&マイル客ばかりで、航空会社はものすごく赤字になってしまいます。だから、お客さんがいる時は、どんどん詰め込めざるを得ないんですな。

 結果、沖縄行きの便は、9割以上の座席が埋まっていました。偶然、私の隣の席には人がいなかったので、ラッキーでしたけど。

 帰りは、仕事が早く片付いたので、早めの便にチェンジすることにしました。それで、席を取り直すことにしたのですが、カウンターの職員の方が「(同行者)3人、横並びの席をお取りしました」なんて言うから、ちょっと面食らってしまいました。

 それをやったら、"3密"になるじゃん。それは、勘弁してよ......。

 そこで、改めて「全員、通路側の座席にしてください」とお願いすると、「みなさん、離ればなれになりますが」だって......。いやいや、子どもじゃないんだからさ。航空会社の方の意識の低さには、ちょっと呆れちゃいました。

 通路側の座席であれば、内側に人がいても、通路側は空間を確保できます。いくらかでも、感染リスクを妨げる気分になります。

 みなさんも、飛行機に乗る時は、座席の配置には気をつけましょう。それで今回ばかりは、フォーストクラスは料金が高い分、前後左右の座席との間隔があって、「感染予防もバッチリだな」なんて思ったりしましたね。



新型コロナウイルス感染防止に対する航空会社の意識の低さには、ちょっと驚きました...。illustration by Hattori Motonobu

 さて、沖縄のゴルフですが、いつもお世話になっている『カヌチャリゾート カヌチャベイホテル&ヴィラズ』にお邪魔しました。こちらは、感染予防対策をきちんとやっておられました。

 ホテルのフロントでは、手指の消毒は必須で、体温測定も常に行なっていました。食事も、広い個室で、同行者とも間隔を空けて食べていました。

 泊まる部屋も、リゾートホテルでありながら、男ひとりのシングルユース。完全にウイルスの防御ができています。

 ちなみに、ベッドメイキングはどうか?

 2日目からは、バスタオルや歯ブラシ、石鹸など、交換するものは袋に詰めてドアノブに引っかけてありました。それらを、自ら取り替えて使用する形です。ゆえに、ベッドメイキングのスタッフは、客が滞在中は一切部屋には入ってきません。

 自分で交換する手間はあるものの、これも感染防止のため。あと、こちらとしてはラッキーなことに、ツインルームでベッドがふたつあり、ちょうど2泊だったため、それぞれのベッドを1回ずつ使うことができて、ベッドメイクの手間は省けました。

 一方、ゴルフのラウンドにおいては、乗用カートに乗っている時はマスクを着用。ボールを打つ時だけ、マスクを外す方式でやっていました。これなら、問題ないですね。

 マスクをしていると顔が蒸れてくるので、沖縄でゴルフをするなら、なるべく午前中の涼しい時間帯に回るのがいいでしょう。

 滞在は、リゾートホテルと空港のみ。今回は、新型コロナウイルスの感染を危惧して、沖縄の街に行くこともありませんでした。これだけやれば、大丈夫でしょう。

 旅行や移動で、新型コロナウイルスに感染するケースがあります。それを避けるためには、とにかく初対面の人とは、マスクなしで会話はしないこと。喋る必要があったとしても、長時間しないことが大切です。もちろん知り合い同士でも、ホテルの部屋などでお酒を飲みながら、みんなでダラダラと喋っているのはよくないと思いますよ。

 あと、感染対策をしていないとか、店内が狭くて人が密集しそうな飲み屋には行かないほうがいいでしょう。夜のネオン街もほっつき歩かない。お酒を飲むと、顔が火照ってマスクを取りたくなるでしょ。これがまた、いけないと思います。

 そんなわけで、開始前に"Go To トラベルキャンペーン"を勝手にやりましたが、個人的には、感染対策をきちんとしていれば、国の政策をさほど意識しなくてもいいかな、と思っています。

 ひとつ、勘違いしてほしくないのは、東京都民でも国内旅行は制限されていない、ということ。1回の旅行で、ひとり最大2万円のバック(うち、70%は旅行代金から割引)があるのが『Go To トラベルキャンペーン』であって、東京都の住民(キャンペーンの除外対象)でも、キャンペーンには参加できなくても、旅行は普通にできます。

 だいたい、キャンペーンを使わなくても、安くできる旅行や、安いパック旅行などは結構あります。

 9月になると、JR東日本が開催している『大人の休日倶楽部パス』(※50歳以上の入会条件あり)を使えば、JR東日本全線で丸4日間、乗り放題。料金は4日間で1万5270円と、かなりおトクです。

 通常、東京と仙台を往復すれば、普通席で2万円ちょっとですから、いかに割安か。今年の2月にはこのパスを利用して、青森や秋田に行ってきました。通常料金で言えば、5万円以上は乗り倒しました。

 このキャンペーン、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、初夏のキャンペーンが中止になりました。それでも年内に2回、キャンペーンを実施します。どっちか1回はパスを使って、ゴルフ旅をしたいと思っています。

 さらに、JR東日本では8月20日から約半年間、『お先にトクだ値スペシャル』(※JR東日本管内。通常のきっぷと比べて制限あり)と称して、新幹線や特急列車の料金が、早期予約者(※乗車日の20日前)はほぼ半額というサービスを実施しています。これも、安いです。

 探せば、『Go To トラベルキャンペーン』くらいおトクな旅行はいっぱいあります。秋には北海道のゴルフツアーも、往復の航空運賃、ホテル代、プレーフィー、ゴルフ場への送迎まで込みで、1泊2日4万円くらいのパックがあります。これは、旅行会社によっては、キャンペーン対象商品になりうるので、東京以外にお住まいの方は、調べる価値がありそうですね。

 ただし、こうした旅行も団体は禁物です。感染リスクが高まります。とにかく、大切なことは、感染対策をきちんとしているかどうか。

 そう思うと、友だちが少なくてよかったな、と。ひとりでも、旅はできるしね。人に密着して会わなければ、新型コロナウイルスにはかからない――そういうことだと思います。