「DeNA2-1広島」(25日、横浜スタジアム) 広島はエース同士の投手戦を落とし、14日ぶりに首位の座から陥落した。先発・森下暢仁投手(27)は7回2失点の力投を見せるも同点の七回に一塁・堂林翔太内野手(33)の適時失策で決勝点を与えた…

 「DeNA2-1広島」(25日、横浜スタジアム)

 広島はエース同士の投手戦を落とし、14日ぶりに首位の座から陥落した。先発・森下暢仁投手(27)は7回2失点の力投を見せるも同点の七回に一塁・堂林翔太内野手(33)の適時失策で決勝点を与えた。守備がチームの強みと自負する新井貴浩監督(48)は気を引き締め直すことを強調した。

 守備で勝ってきたチームが珍しく乱れた。記録に残らない拙守が絡んで同点とされると、痛恨の失策で決勝点を献上。新井監督は「やっぱり自分たちはしっかり守って、守ってという野球をやってきているので。もう一回しっかり気を引き締め直して、明日に臨んでいきたいと思います」と前を見据えた。

 決定打を浴びていない、煮え切らない一敗だ。森下と東の投手戦は1-1で終盤の七回に突入。森下は2死から筒香に四球、山本に左前打を浴びて、一、三塁のピンチを招いた。ここでDeNAは東を下げ、代打で宮崎を投入。ここで、初球に対して止めたバットが当たり、平凡な一塁へのゴロになったものの、一塁・堂林が後逸してしまう痛恨のプレーとなった。

 今季ここまで失策のなかった堂林だが、この場面では半身で捕球体勢に入ってしまい「体を出してでも止めないといけない場面だった。暢仁(森下)に申し訳ないです」と謝罪。「こういう1個のエラーで信頼というのは一気になくなる」と終始険しい表情だった。

 チーム全体を見れば1点リードの三回1死二塁でも拙いプレーがあった。東が送りバントを試み、三塁方向へ転がった打球に対し、三塁・小園がベースに入り、投手・森下がボールをスルーしてしまったことで内野安打に。2死三塁が濃厚だったところが、1死一、三塁となり、蝦名の犠飛で同点とされていた。

 これでチームは12日からキープしてきた首位の座から14日ぶりに陥落。開幕2カード目以来、7カードぶりに初戦で黒星を喫し、横浜スタジアムでは昨年9月3日から5連敗となってしまった。

 今季もここまで菊池、矢野の鉄壁二遊間を中心にした守備を土台に、安定感のある投手陣と好調な攻撃がかみあって白星を積み重ねてきた。選手会長でもある堂林は敗戦の責任を背負い「また明日の練習、試合で一つのアウトを積み重ねていくしかないのかなと思う」と悔しさを押し殺して唇をかみしめた。手痛い一敗に変わりはない。ただ、今はまだ4月。“守備のカープ”の原点に立ち返るきっかけにすることができれば、敗戦にも意味を持たせることができる。