角田と接触したサインツ。その攻防に本人も不満をあらわにしている。(C)Getty Images アグレッシブな競り合いが生んだアクシデントだった。現地時間4月13日、F1の今季第4戦となるバーレーンGPの決勝で、レッドブルの角田裕毅とウィリ…

角田と接触したサインツ。その攻防に本人も不満をあらわにしている。(C)Getty Images

 アグレッシブな競り合いが生んだアクシデントだった。現地時間4月13日、F1の今季第4戦となるバーレーンGPの決勝で、レッドブルの角田裕毅とウィリアムズのカルロス・サインツの接触だ。

 ポイント獲得圏内を争う攻防の中で、“事故”は起きた。

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 両雄が10位以内を争っていた30週目、内側を攻めたサインツが角田を抜き去った際にマシンが接触。これで角田の乗る「RB21」は左リヤウイングの一部が破損すると、サインツのマシンはサイドポンツーンに穴がポッカリ。さらにデブリも飛び散った。この状況を受け、32周目にセーフティカーが導入された。

 接戦を制して9位でフィニッシュした角田は、昇格2戦目で初のポイント獲得に至った。一方で、再開後も走行を続けていたサインツは、徐々にマシン性能がダウン。46週目に無線で「スチュワード(審議委員)はユウキを調査すべきだ。ターン1の出口で僕に対してやったことは本当にバカバカしい」と叫びながら、無念のリタイアを選択した。

 スチュワードが「レース中に起きた不可抗力の事故」と判断し、お咎めなしとなったアクシデント。一連の展開にはレース後に「ユウキのコントロールが少し欠けていたことが、自分のレースを犠牲にして負けた」と不満を漏らしたサインツの母国では、角田に対する疑念が広まった。

 マドリードに拠点を置く大手紙『as』は「スペイン人ドライバーはツノダからの攻撃を受けてポイントを逃した」と断言。破損したサインツのマシンを接写した画像を展開した上で「ややコントロールを失ったツノダに衝突されたサインツの車は側面を損傷した。穴は大きく、パフォーマンスの低下は相当なものだった。そこからスペイン人は防御を試みたが、劣勢に立たされた」と嘆いた。

 また、大手紙『Mundo Deportivo』は、「空力性能が50ポイントも低かったから、走行は不可能だった」という本人のコメントを紹介した上で「ツノダの攻撃で、サインツのポイント獲得ができるわずかなチャンスは消え去り、右側に開いた大きな穴のせいでリタイアすることになった」と論じた。

 波紋を呼んでいる角田とサインツの攻防。FIAが「不可抗力」と断じた以上はどうしようもないが、その余波はしばらく続きそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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