◇米国女子◇JMイーグルLA選手権 最終日(20日)◇エルカバレロCC (カリフォルニア州)◇6679yd(パー72)同じ最終組を回ったローレン・コフリンがスコア提出を終えてから、岩井明愛がアテスト小屋を出たのはおよそ7分後だった。泣きは…

岩井明愛は再び1打差で惜敗。悔し涙を流した

◇米国女子◇JMイーグルLA選手権 最終日(20日)◇エルカバレロCC (カリフォルニア州)◇6679yd(パー72)

同じ最終組を回ったローレン・コフリンがスコア提出を終えてから、岩井明愛がアテスト小屋を出たのはおよそ7分後だった。泣きはらした目を隠すように、サングラス姿でテレビのインタビューエリアに登場。カメラのスタンバイ中、深呼吸をして「落ち着いていこう!」と自らに言い聞かせて、惜敗の弁を述べた。

ルーキーイヤー自身4戦目での初勝利を狙い、首位タイから出た日曜日。日を追うごとに硬くなったグリーンと独特の緊張感と闘いながら、5番でバーディが先行。6番(パー3)のボギーの直後、第2打をグリーン左奥に運んだ7番(パー5)でバウンスバックした。

同じルーキーと最終18番まで熱戦を演じた

1つ前の組を回るイングリッド・リンドブラッド(スウェーデン)に2打差をつけられハーフターン。14番のバーディで1打差に迫り、16番(パー5)では右に曲げた1Wショットがカート道ではねて前方の林へ。残り160yd地点から、キャディの「刻もう」という進言を制し、6Iでスライスをかけて木をよけグリーンにのせた。「イチかバチかのショットがうまくいって良かった」と安どし、30m近いイーグルパットを寄せるバーディで追いついた。

最終18番の1Wショットも右に曲がった。ラフから残り148ydの2打目は8Iと迷った末に9Iで打っても、「結構フライヤーした」とグリーン左奥にこぼれた。ウェッジでの3打目はピンを3mオーバー。プレーオフ進出を決めるパーパットをカップの右に外し、ボギーフィニッシュで夢が絶たれた。

米ツアー初優勝まであと一歩

5バーディ、2ボギー「69」で通算20アンダー。「最後はめちゃくちゃシビれました。入れきれなかったのが、自分の弱さ」と自らを責めた。2月の「ホンダLPGAタイランド」以来、今季2回目の単独2位フィニッシュ。また1打が届かなかった。「あの球が、すごく嫌いなんです」と終盤、立て続けに右に吹かしたショットを悔やむ。

人前で涙を見せず「負けてしまうこともあるかもしれないけれど、今はたくさん優勝争いをして、ちょっとずつ慣れていければいいかなと思います」と気丈に言った。会見場では現地のメディアに対し英語で返答。たどたどしくも、知っている単語を懸命に並べて受け答えした。敗因は?「myself(自分自身)」。今週、得たものは?「confidence(自信)」。日本人マネジャーに、困ったときだけ通訳をお願い。プレー以外の場面でもトライを続けている。

悔しさを胸に次戦のメジャーに乗り込む

「来週、すぐにリベンジできる舞台がある」。それがツアーメンバーでもある。メジャー初戦「シェブロン選手権」(テキサス州ザ・クラブatカールトンウッズ)を見据え、「自分のプレーをして悔しさをぶつけていけたら」と意気込んだ。長いインタビュー、ファンへのサインを終え、わざわざ向かった先は思いがいっぱい詰まった18番グリーン。表彰式が終わり、歓喜の真っただ中にいたリンドブラッドに駆け寄り、勝利を祝福した。(カリフォルニア州ロサンゼルス/桂川洋一)