NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25ディビジョン1 第15節(リーグ戦)カンファレンスA2025年4月12日(土)12:00 ゼットエーオリプリスタジアム (千葉県)浦安D-Rocks …

NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン1 第15節(リーグ戦)カンファレンスA
2025年4月12日(土)12:00 ゼットエーオリプリスタジアム (千葉県)
浦安D-Rocks 20-33 コベルコ神戸スティーラーズ

同じ日に訪れた二つのメモリアル。勝利で飾った“偉業”と“第一歩”


1キャップ目の植田 和磨選手(左)、100キャップ目を達成した山下楽平選手、ともにコベルコ神戸スティーラーズ

ゼットエーオリプリスタジアムでの一戦は、ビジターゲームに乗り込んできたコベルコ神戸スティーラーズ(以下、神戸S)が逆転勝ちを飾り、プレーオフトーナメント進出に向けて大きな勝ち点4を獲得した。

これまで神戸Sを引っ張ってきたトライゲッターの“偉業”と、これからの神戸Sを引っ張っていくであろうウインガーの“第一歩”が同じ日に訪れた。

ジャパンラグビー トップリーグ・リーグワン通算100キャップを達成した山下楽平は「節目の試合を勝ちで終われたことはすごく良かったです」と喜び、試合後のセレモニーで花束贈呈のプレゼンターを務めた家族とのやり取りの裏側を笑いながら教えてくれた。

「ああいうのってだいたいサプライズだと思いますけど、ビジターゲームだったから来られるかどうか分からないのもあったのか、僕のほうに『誰に花束渡してもらう?』と連絡がきて、『家族でお願いします』と自分が間に入ってつなぎました(笑)」

そんなユーモアたっぷりの山下楽平が、若きころの自分と重ねた選手がいる。それは、この日ファーストキャップを飾った植田和磨。「プレースタイルはちょっと違いますけど、見ていて『若いときはあれくらい元気だったな』と思いながら、自分の節目のタイミングでいいランナーがファーストキャップを取れて感慨深いものはあります」と後輩のデビューを喜んだ。

その植田は後半26分からピッチに立ち、短い時間ながら持ち味を発揮。「ピッチに入る瞬間も思いのほか緊張していなくて、自分らしく楽しく思い切ってプレーできたと思います」と振り返り、次なる一歩に向けて力強く意気込んだ。

「僕がまず目指すのは、今日のバックスリーである楽平さんとアタさん(アタアタ・モエアキオラ)と(松永)貫汰さんであり、その3人との競争に勝ってレギュラーを取ること。そこは自分のこれからの努力次第だと思いますし、そこを達成できたら自然と日本代表という目標も見えてくると思います」

実はその植田は、大先輩の偉業を知らなかったという。「メンバー発表のときは知らなくて、後々聞きました」。それでも、「自分が1キャップ目で楽平さんが100キャップ目で、お互いが記念すべき試合をしっかりと勝てて良かったです」と、この日一番の笑顔を浮かべる。

二つのメモリアルが、神戸Sの未来を明るく照らしていた。

(須賀大輔)

浦安D-Rocks


浦安D-Rocksのグレイグ・レイドロー ヘッドコーチ(左)、金廉ゲームキャプテン

浦安D-Rocks
グレイグ・レイドロー ヘッドコーチ

「残念な試合結果で内容も良くなかったと思います。前半はいいスタートを切ることができたのですが、後半は15分間で7つのペナルティをしてしまい、後半が原因で負けてしまった形になりました」

──後半に規律が乱れてしまった原因はどう考えていますか。

「レフリーと協力して試合を進めていかないといけないと思います。自分たちに目を向けると、基本的なところ、当たり前のところができていなかった部分がありました。判定の差は両チームに対してあることだと思いますので、そういうところの一貫性は必要ですけど、自分たちに目を向けると、基礎的な部分に立ち返るべきだったと思います」

浦安D-Rocks
金廉ゲームキャプテン

「ヘッドコーチが言ったとおりで、前半は自分たちが準備してきたことやプランをしっかりと遂行できましたけど、後半のしんどい時間帯、厳しい時間帯にペナルティが多かったですし、細かいディテールの部分が欠けていたので、相手のほうがスコアが良かったと。それが結果として出たと思います」

──後半にペナルティが増えたことに対して、フィールド上で何か感じたことはありますか。

「後半はペナルティを一つしてしまったときに選手たちが、リセットというか切り替えがうまくできなくて、パニックになってしまってまたペナルティという流れが続いたと思います。ペナルティをしてしまっても自分たちのプランを正確に遂行できれば改善できると思います」

コベルコ神戸スティーラーズ


コベルコ神戸スティーラーズのデイブ・レニー ヘッドコーチ(左)、ブロディ・レタリック共同キャプテン

コベルコ神戸スティーラーズ
デイブ・レニー ヘッドコーチ

「前半はチームのエナジーがまったくありませんでした。ほとんどの時間が追い風の状態でしたけど、自陣で過ごさないといけませんでした。ボールをもってアタックしている際も、すぐにターンオーバーされて、相手にボールを与えてしまう状況が多かったと思います。最初の40分間に関してはフラストレーションが溜まる40分間でしたけど、後半はしっかりとプレッシャーを相手に掛けることができ、特にセットピースで相手にプレッシャーを与えることができたと思います。我慢強さも前半に比べてもつことができたので、しっかりとそれをスコアに変えることができました。完璧な後半ではなかったですけど、しっかりとやろうとする意図を出せたと思います」

──エナジーがない前半を終え、ハーフタイムにはどのような指示をしたのでしょうか。

「先週の試合を踏まえて、試合前にも話した内容ですけど、『自分たちの思いをしっかりと証明しないといけない』という話をしました。ジャージーに対する思い、仲間に対する思い、それをしっかりとフィールド上で証明していこうという話をした上でのゲームだったので、それを出せていないという話をしました。自分たちは誰を代表して戦っているのか常に理解していないといけないと思っています。チームメートだったり、家族だったり、会社だったり、街だったり、それを理解した上で常にパフォーマンスで表さないといけないです。コンテストの局面で勝ちにいくのは、誰を代表して戦っているのかという気持ちをもたないといけないと思っています。その上で後半に関しては、向かい風の状況でしたけど、自分たちがやるべきことをやれば得点に変えることができたと思うので、前半は良くなかったですけど、後半はしっかりと形に表してくれたと思っています」

──前節は大差での敗戦になりましたが、準備の仕方を変えた部分はありましたか。

「毎週準備する内容は変わってきます。その状況を踏まえて準備の部分は変わってくることが多いです。特に今週に関しては先週が日曜日の試合でショートウィークだったので、グラウンドで練習する時間は短くしました。試合が5週間続いた、最後の週だったので、それは必要だったと思います。そういう意味を含めて、エナジーを一番出せる状況にはもっていけたと思いますけど、前半は10分間の中に3~4つのミスがあって、そのミスが相手によるものかと言えば、自分たちの判断ミスや簡単なエラーが多かったので、そこの部分は良くなかったと思います」

コベルコ神戸スティーラーズ
ブロディ・レタリック 共同キャプテン

「ヘッドコーチと同じ内容になりますが、フラストレーションの溜まる前半でした。特に最初の25分は自分たちのミスも相まってあまりにも自陣でプレーする時間が多くなりました。自分たちで点を与えてしまって、またミスでボールを返してしまう状況が続きました。正しいエリアでプレーできたときは得点にすることができていましたけど、バイウィーク明けのことを考えると、私たちはこのままではダメだと思いますし、成長しないといけないと思っています」

──前半、うまくいかなかった原因についてどう感じていますか。

「エナジーがなかったと感じた訳ではないですけど、あまりにもターンオーバーやミスが続いて、ディフェンスをする時間が長くなってしまったことが、自分たちがエナジーのないような状態になってしまった原因だと思います。ただ、後半はボールをもつ時間が増えたのでエナジーのある状態にもっていけたと思うので、そこが大きな要因だと思います」