「広島5-3巨人」(13日、マツダスタジアム) もう止まらん!広島が今季初の4連勝で本拠地での連勝も「7」に伸ばし、首位の座をがっちりキープした。昨季リーグ覇者の巨人を相手に3連勝。若手の多いチームは勢いに乗るばかり。その中心に立つ小園海…
「広島5-3巨人」(13日、マツダスタジアム)
もう止まらん!広島が今季初の4連勝で本拠地での連勝も「7」に伸ばし、首位の座をがっちりキープした。昨季リーグ覇者の巨人を相手に3連勝。若手の多いチームは勢いに乗るばかり。その中心に立つ小園海斗内野手(24)は先制打と勝ち越しにつながる安打などで2戦連続猛打賞の大暴れを見せ、リーグ首位打者に浮上した。
ベンチ裏から口笛の音色が聞こえてきた。歓声を一身に浴びたヒーローインタビューを終え、報道陣の前に立った小園からは充実感が漂った。それもそのはず、2戦連続猛打賞で開幕から14試合中13試合で安打をマーク。乗りに乗っている男は「たまたまかなと思うんで。もうちょっと精度を上げたいなという感じですね」と謙虚な言葉は一貫しているが、笑顔は多かった。
不安が若武者をかき立てる。初回1死三塁の好機で迎えた1打席目。「『また得点圏か…』と思いながら立っていた」。やや後ろ向きな思いとは裏腹に相手先発・石川の初球を捉えて一、二塁間を破る先制適時打。早々に連続安打を9試合に伸ばした。
同点に追いつかれた五回の3打席目も2死二塁の好機で中前打を放つと、チャージをかけた中堅手ヘルナンデスが後逸。ボールが外野を転々とする間に一塁ベースを蹴り、二塁も回った。「歓声と(三塁コーチャーの)赤松さんの腕の回し」で本塁突入を判断し、一気に生還を果たした。
この日はコロナ禍以降では本拠地最多となる3万2183人が詰めかけた。満員のスタンドを埋めるファンからは打てば大歓声、凡退すれば大きなため息が漏れる。「打てなかった時に、ため息が本当にやばいんで…。(心臓が)バクバクになりながら打席に立っています」。重圧を感じながらも一振りで仕留めることができるのが、24歳で主軸を張れるゆえんだ。
ここまでリーグトップの23安打をたたき出し、驚異の打率・418でリーグ首位打者に立つ。ただ、胸の中にあるのは「毎日不安」という気持ち。だからシーズンに入っても練習でのスイング量は落とさない。ビジターから広島に帰っての移動ゲーム日でも、早出から打ち込みを行っている。「振らないと分からない。僕はそういうタイプなので」と愚直に野球と向き合う日々だ。
これでチームは4連勝となり、本拠地では怒濤(どとう)の7連勝。新井監督は「若い選手が頑張ってくれて、選手も『よし、いけるぞ』と思ってくれている」と手応えをにじませ、その先頭を走る小園に対しては「継続してもらいたい。ずっといいんで」とハッパをかけた。小園自身も「まだまだ勝ち続けたい」と呼応。小園が乗ればチームも乗る。鯉の絶好調男に導かれて首位固めへと走る。
◆マツダ7連勝 新井カープはこの日の勝利でマツダ7連勝。今季は開幕戦と開幕2戦目で阪神に連敗した後から本拠地で連勝を続けており、マツダ7連勝は9連勝した24年7月12日・ヤクルト戦~8月12日・DeNA戦以来。また、森が先発している日曜は3戦3勝。