梶谷隆幸氏が1988年世代や現在について語った DeNAで14年、巨人で4年プレーした梶谷隆幸氏は2025年限りで現役を引退した。1988年生まれで田中将大投手、坂本勇人内野手(いずれも巨人)、柳田悠岐外野手(ソフトバンク)、宮崎敏郎内野手…

梶谷隆幸氏が1988年世代や現在について語った

 DeNAで14年、巨人で4年プレーした梶谷隆幸氏は2025年限りで現役を引退した。1988年生まれで田中将大投手、坂本勇人内野手(いずれも巨人)、柳田悠岐外野手(ソフトバンク)、宮崎敏郎内野手(DeNA)、斎藤佑樹氏らと同学年。タレント揃いの“88年組”を語り、現在の状況も語った。

「いい年に生まれたなっていうのはあります。こういう世代だから自分もちょっとそこに片足を突っ込んで名前を出してもらえる。同級生だけどすげぇな、って思いながら頑張れたし、俺も負けられないという気持ちもあった。レベルの高い男たちに、ケツを叩いてもらったって勝手に思っています」

 梶谷氏の中でも特に思いが強いのは宮崎と坂本だった。「(宮崎)敏郎は我が道をいくというか、決めたらやり通す。僕と似ている部分がある。今だから言えますけどバチバチに喧嘩したこともあります。でも、何度も食事に行きましたし、野球でも敏郎を見ていました。打撃がすごいので、感覚や理論はたくさん聞かせてもらった。勉強になりました」。DeNA時代には名コンビとして自ら“ニコイチ”とも表現していた。

 坂本は「すごく柔軟で思いやりがある」と即答。「年上も年下もみんな坂本勇人のことを好きだと言いますよね。人の言葉に聞く耳もあるし、発言力もある。ちょいちょい優しいんですよ。辛い時なんかに『なんかお前苦しいよな?』って、うまく喋りかけてくる。さりげなく心を癒やしてくれるタイプですね」と嬉しそうに語った。

「敏郎は孤高の侍、勇人はエンターテイナーかな」。両選手は現在もチームの中心としてプレーしている。「本当にすごいですよ」と敬意を口にした。また、今季から加入した田中とは「話す機会がなかったんです。一緒にやりたかったですね」と少し残念そうに語った。

 プロ18年間で1064試合に出場し、通算980安打の打率.270、126本塁打、441打点、162盗塁の成績を残して引退した。現在は「ゆっくりしている感じです。そのなかでやれるお仕事をやらせていただいている、というところですかね。ずっと野球をやってきたので、視野を広げていきたいなとは思っています」。

 驚異的な身体能力を誇りながらも怪我には何度も泣かされてきた。引退を決意したのも痛めた左膝が原因だった。「怪我で引退した方で、やめたら痛みが消えた、という話とかよく聞くじゃないですか。僕は今でも痛いですよ。筋力が落ちて、支える部分が弱くなっているんだと思います」。数々の記憶に残るプレーを披露してきた“韋駄天”は、柔和な笑みを浮かべた。(湯浅大 / Dai Yuasa)