◇メジャー初戦◇マスターズ 事前(6日)◇オーガスタナショナルGC(ジョージア州)◇7555 yd(パー72)米ジョージア州のオーガスタ市内で、オーガスタナショナルGC以外で訪れておくべき場所はあるだろうか――。筆者は初の「マスターズ」取…

◇メジャー初戦◇マスターズ 事前(6日)◇オーガスタナショナルGC(ジョージア州)◇7555 yd(パー72)
米ジョージア州のオーガスタ市内で、オーガスタナショナルGC以外で訪れておくべき場所はあるだろうか――。筆者は初の「マスターズ」取材に向け、大会の歴史などを調べて現地入りした。
マスターズ創始者の“球聖”ボビー・ジョーンズは同州の大都市アトランタ出身。そのアトランタ空港は昨年、旅客輸送量の多さで「世界一忙しい」と評されたハブ空港だ。東京からマスターズ取材に行くには羽田から約12時間かけて同空港まで飛び、レンタカーで約2時間半運転して向かうか、米国内で乗り換えてオーガスタ空港に向かうかだ。今回は現地での激務を考慮して、アトランタ経由の空路をチョイス。一日の発着便20前後のローカル線である。

後から知ったのだが、マスターズ取材10回以上のベテラン記者によると、今年のオーガスタ空港はかなり“マスターズ色”が強いそうだ。左右2席の小型ジェット機を降りて空港に入ると、両サイドにオーガスタナショナルGCの風景を模した通路が続く。まるで橋を渡るように歩いていくと、全18ホールを紹介するオブジェが堪能できた。ここまでの“歓待”は過去になかったらしい。

レーンが2つだけのバッゲージクレームエリアの手前には、1976年大会覇者、レイモンド・フロイドの銅像があった。こちらは以前からあるそうだが、緑と白を基調にしたクラブハウスを思わせるような空港の仕上がりに心拍数が上がった。

オーガスタ市内に向かい、マスターズ会場から車で約15分走ると、ジョーンズと縁の深いゴルフ場がある。「フォレストヒルズGC」という同市内のパブリックコースなのだが、実は開場が1926年で、1933年開場のオーガスタナショナルGCより古い。

ジョーンズは1930年3月、そこで開催された「サウスイースタンオープン」で、同年の年間グランドスラム(※)達成を前に優勝した。13打差つけて優勝した大会で、「人生で最高のプレーができた」という言葉を残している。クラブハウスには「ボビー・ジョーンズ ルーム」という部屋があり、壁にはジョーンズが描かれた絵が飾られていた。現地では偉業達成の「始まりの地」として知られているそうだ。

次は街の散策だ。さぞ「マスターズウィーク」に向けてお祭りムードが…と思ったら、案外そうでもない。コース付近の住宅地では、大会ロゴ入りのフラッグを飾り付けした家が多かったが、人々は普段通りという感じ。ただ、車でダウンタウンを流していると妙なモノを見つけた。ロータリー内にある噴水の水が“グリーン”なのだ。「まさか水をオーガスタカラーにしているの?」と思ったが、理由はわからずじまい。今もモヤモヤしている。 (ジョージア州オーガスタ/石井操)
※ボビー・ジョーンズは1930年に、当時4大メジャー大会だった「全英アマ」(5月)、「全英オープン」(6月)、「全米オープン」(7月)、「全米アマ」(9月)を制覇した。