モータースポーツの世界最高峰の舞台のひとつ、WRC(世界ラリー選手権)で活躍する日本人ドライバー勝田貴元が、第3戦「ラリーケニア」でクラッシュ。なんとかフィニッシュラインを通過した勝田に対し、助手席のコ・ドライバーが見せた“さりげない優し…
モータースポーツの世界最高峰の舞台のひとつ、WRC(世界ラリー選手権)で活躍する日本人ドライバー勝田貴元が、第3戦「ラリーケニア」でクラッシュ。なんとかフィニッシュラインを通過した勝田に対し、助手席のコ・ドライバーが見せた“さりげない優しさ”が話題になっている。
世界中を転戦するなかで、WRCのドライバーにはそれぞれ得意なコースと不得意なコースがある。勝田は数あるラリーのなかでも今回の「ラリー・ケニア」を得意としており、2021年は優勝争いの末に2位、2022年は3位、2024年は2位と好成績を残してきた。
それだけに勝田も心に期するものがあったのだろう。日本時間23日の最終日までに何度かパンクなどのアクシデントに見舞われながら、最終SSまで奮闘を続けていた。しかし気持ちが強過ぎたのか、最終SSをスタートしてすぐ、スピンを喫してマシンを横転させてしまう。
その瞬間、勝田の「ラリー・ケニア」で終わり、好成績を残すことは叶わなくなった。しかし、それでも勝田は完走しようと、相棒のコ・ドライバーとともにギャラリーの力を借りて横転したマシンをひっくり返す。そして、低速ながらもマシンを壊さないようゴールを目指した。
マシンがフィニッシュラインを越え、車内の様子が映し出されると、勝田は目をつむり上を向いて悔しがっている。しかしその瞬間、一緒にゴールを目指してきたコ・ドライバーのアーロン・ジョンストンは、そっと勝田の腕を叩き、握手を促した。勝田はその気持ちに応え、彼の方へ手を差し出す。すると、勝田はまた気持ちを新たにステアリングを握り直すのだった。
このフィニッシュ後の一連のシーンは、WRC公式X日本版にも取り上げられ、ファンからは「二人とも大きな怪我がなくてよかったです」「ラリーのこういうところが好きだ」「次に繋げましょう」「最高のコンビすぎる」「友情と信頼は美しいです」など、感動のリプライが集まった。
(ABEMA『WRC 世界ラリー選手権 2025』/(C)WRC)