甲斐(写真)と大山の獲得を巨人が狙っているようだ(C)産経新聞社 プロ野球のフリーエージェント宣言選手が11月14日に公示され、今年は9人の選手が権利を行使した。1シーズンで9人行使するのは2011年(12人)以来の規模感で、例年以上に人の…

甲斐(写真)と大山の獲得を巨人が狙っているようだ(C)産経新聞社

 プロ野球のフリーエージェント宣言選手が11月14日に公示され、今年は9人の選手が権利を行使した。1シーズンで9人行使するのは2011年(12人)以来の規模感で、例年以上に人の流れが盛んになりそうだ。

 本稿では、昨年までの直近5年間におけるFA宣言選手の獲得・流出を検証。近年の傾向をつかみつつ、今オフの動向もまとめたい。

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■直近5年のデータは?

 直近5年間におけるFA宣言選手の獲得・流出の数を出してみたところ、下記のような結果となった(NPB公式サイトを参照)。

左から獲得、流出、残留の数
ソフトバンク 4,2,0
日本ハム 2,1,0
ロッテ 2,2,2
楽天 1,2,1
オリックス 2,2,0
西武 0,3,6
――
巨人 2,0,0
阪神 0,0,2
DeNA 0,3,2
広島 0,1,0
ヤクルト 0,0,1
中日 0,1,0

 ざっくりとした傾向は、以下が挙げられる。
・全体的にパ球団の動きが盛ん。西武以外のパ5球団で獲得実績あり
・一方で西武は宣言残留のケースを多数作っている
・セ球団の獲得実績は巨人以外なし
・阪神は獲得/流出ともにゼロ。宣言残留のみ

 具体に言及すると、ソフトバンクの獲得数が最も多いのは想定内といえよう。2年前に近藤健介を日本ハムから、昨オフには山川穂高を西武から獲得。リーグ屈指の打者を加入させ、今季の4年ぶり優勝につなげた。

 近年ではオリックスと日本ハムの動きが目立つ。前者は森友哉と西川龍馬を加入させ、後者は奇しくもオリックスから伏見寅威と山﨑福也を獲得。FA隆盛期の頃には考えられなかったことが起きている。資金力の強さだけでなく、環境の良さを重視して移籍する選手が増えていることが背景として考えられるだろう。

 そのFA隆盛期で主役を演じていた巨人は、2020年オフに梶谷隆幸と井納翔一を獲得したのみ。ともに同リーグのDeNAから移籍したもので、パ球団からの移籍は18年の炭谷銀仁朗(西武)まで遡らなければならない。

■今年の宣言者の動向は?

 こうなると、今年の宣言者がどうなるか気になるところ。報道を総合するに、直近5年間とは少し違った傾向が出るのではないか。

 大山悠輔(阪神)と甲斐拓也(ソフトバンク)の2人が、注目度・条件面の両方で目玉となっている。ともにチームの顔として活躍をし続けてきたものの、熟考の末に行使を決断。巨人がW獲得を狙っており、おそらく宣言残留との二者択一になる。

 争奪戦の観点では石川柊太(ソフトバンク)の動向が見逃せない。補償のないCランクとあって、5球団が獲得に動いているという。中でもオリックスは交渉解禁日に速攻アタックと、誠意を見せている。

 茂木栄五郎(楽天)はヤクルトが獲得に動いているそう。近々で村上宗隆のメジャー移籍が既定路線となる中、左の内野手補強は急務。かつて早稲田大の主砲だった男が神宮に帰還するか。

 中日からFA宣言した木下拓哉と福谷浩司は、甲斐や石川を獲れなかった球団が獲得に動きそう。宣言残留を含め、可能性は色々と考えられる。原口文仁(阪神)には西武が関心と言われる中、ここに来て西武の球団幹部がFA争奪戦の見送りを明言。残留の目が高くなったか。

 海外FA権を行使した菅野智之(巨人)はMLB移籍が濃厚。同じく海外FAの九里亜蓮(広島)はMLB移籍を視野に入れつつ、国内にとどまる可能性もありそうだ。

[文:尾張はじめ]

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