◆第85回皐月賞・G1(4月20日、中山競馬場・芝2000メートル) 3冠初戦の第85回皐月賞・G1は20日、中山競馬場の芝2000メートルで行われる。1週間を通じてさまざまな角度で掘り下げる「考察」は浅子祐貴記者が担当。現状の勢力図は、無…

◆第85回皐月賞・G1(4月20日、中山競馬場・芝2000メートル)

 3冠初戦の第85回皐月賞・G1は20日、中山競馬場の芝2000メートルで行われる。1週間を通じてさまざまな角度で掘り下げる「考察」は浅子祐貴記者が担当。現状の勢力図は、無傷3連勝でホープフルSを制したクロワデュノールが“1強”との見立てだが、どんな結論にたどり着くか。

 クラシック1冠目の皐月賞はホープフルSを無敗で制したクロワデュノールの評価が最大のポイントになるだろう。直行を選択した2歳王者。年明けのトライアルの結果などを鑑みると、現状では信頼するのが無難ではないかと考えている。

 デビュー戦は24年の2歳戦がスタートしてわずか2週目の6月9日。東京・芝1800メートルの新馬戦史上、最速となる1分46秒7をマークしての勝利に大物誕生か?と騒がれた。その評価を確かなものにしたと言えるのが2走前の東京スポーツ杯2歳S。戦前は新馬戦の高速馬場や休み明けで万全ではない状態を理由に2連勝へ懐疑的な声も聞かれた。ところが蓋を開けてみればそれらの不安を一蹴(いっしゅう)し、無敗の3冠馬コントレイルや、22、23年の年度代表馬イクイノックスが勝利を収めた出世レースを快勝。“新馬戦のパフォーマンスは本物”と思い知らしめた。

 暮れのホープフルSでは、王者の風格さえ漂っていた。序盤は好位を見ながら中団で脚をため、ファウストラーゼンがまくる難しい展開にも冷静に対処。リズムを崩すことなく4角にかけて徐々にスピードを上げ、坂上で完全に抜け出すと単勝1・8倍の支持に応える2馬身差V。非の打ちどころがないレースぶりは2歳離れした完璧なものだった。

 時間の経過とともにその地位はさらに強固になったのかもしれない。サトノシャイニング、ファウストラーゼン、ジョバンニといった負かしてきたライバルたちが次々と勝利。現状では勢力図に大きな変化は見られない。それでも付け入る隙はあるのか。逆転できる馬はいるのか―。この1週間、様々な角度から答えを導きたい。(浅子 祐貴)