◇プレミアリーグ ▽第32節 リバプール2-1ウェストハム(13日) 日本代表主将・遠藤航(32)が所属するリバプールは16位のウェストハムと対戦。前日にアーセナルがブレントフォード戦で1-1ドローに終わり優勝を確定への勝ち点が残り『9』に…

◇プレミアリーグ ▽第32節 リバプール2-1ウェストハム(13日)

 日本代表主将・遠藤航(32)が所属するリバプールは16位のウェストハムと対戦。前日にアーセナルがブレントフォード戦で1-1ドローに終わり優勝を確定への勝ち点が残り『9』に。4月中のプレミアリーグ制覇が見えたこの試合、遠藤は今季の定位置であるベンチでキックオフのホイッスルを聞いた。

 遠藤が試合に出たらチームのリードを守る『クローザー』としての役割が定着し、サポーターも遠藤がサブで登場すると『リバプールのナンバー3!」と大声でチャントし、前半18分にディアスが奪った虎の子の1点を守り切ってリバプールの勝利を確信した。

 ところがあってはならない同点弾が飛び出した。しかもオウンゴール。試合も押し迫った後半41分、ウェストハムWBのワン・ビサカ左から放り込んだクロスの対応でセンターバックのファン・ダイクと左SBのロバートソンが交錯。最後はスコットランド代表主将に当たって、自軍のゴールラインを割り、1対1の同点に追いつかれた。

 前節のアウェーのフラム戦で先制点を奪いながらもあれよあれよの間に3点を奪われれ、最終的には2-3で今季の2敗目を逆転負けで喫していた。

 しかしここはホームのアンフィールド。前日会見でスロット監督がエバートンとのダービー戦のような熱い応援を呼びかけていた。そのオランダ人指揮官の求めに応じるように、サポーターが同点の失望を見せず、しっかりとチームを後押しした。

 そして悪夢のオウンゴールからわずか3分の後半44分、ホームの声援に助けられるように押し上げて奪ったコーナーキックに主将のファン・ダイクが頭を合わせて、ウェストハムのゴールネットを揺らした。

 33歳のオランダ代表DFは、勝利を呼び込む2点目のゴールが決まった瞬間、左サイドのコーナーに向かって駆け出し、大きくジャンプをすると、リバプールの最も過激なファンが密集するゴール裏のコップスタンドに向かって胸のエンブレムを突き出して、そこにキスをした。

 2-1で逃げ切った試合後、決勝弾を決めたファン・ダイクが「優勝に近づく大きな1勝だった」と話すと、今季限りで契約が終了する予定だったサラーが先週金曜日の11日にリバプールとの契約を2年の延長したことが正式に発表されたことで「クラブが一つにまとまった」と明かし、エースの契約延長がチームに明るいムードを作ったと語ると、優勝を力強くにらんだ。

 試合後、劇的な決勝ゴールが飛び出た勝利で「2試合後のホーム戦で優勝が決まる可能性が出てきた」と聞かれたスロット監督は「プレミアリーグの1勝は本当に難しい。それを2回達成しなければならない。どこで優勝しようとかまわない。今はただ来週の調整をうまくこなし、さらに調子を上げて来週の試合に臨むことしか考えていない」と語り、次の1勝に集中することを明言して会見室を去った。