◇メジャー初戦◇マスターズ 3日目(12日)◇オーガスタナショナルGC(ジョージア州)◇7555yd(パー72)ロリー・マキロイ(北アイルランド)が通算12アンダーで単独首位に浮上して最終日を迎える。2014年までに「全米オープン」(11…

念願の「マスターズ」制覇と史上6人目の快挙がかかるロリー・マキロイ ※撮影は大会2日目

◇メジャー初戦◇マスターズ 3日目(12日)◇オーガスタナショナルGC(ジョージア州)◇7555yd(パー72)

ロリー・マキロイ(北アイルランド)が通算12アンダーで単独首位に浮上して最終日を迎える。2014年までに「全米オープン」(11年)、「全米プロ」(12、14年)、「全英オープン」(14年)で優勝。4大メジャータイトルをそろえるキャリアグランドスラム(生涯GS)に王手をかけてから11回目の「マスターズ」で大会初制覇のビッグチャンスが訪れた。

ゴルフ界最大の栄誉ともされる生涯GSは、過去5人が達成。レジェンドたちが偉業を成し遂げた大会を振り返る。

ジーン・サラゼン 1935年「マスターズ」

ジーン・サラゼン(中央)は1935年「マスターズ」を制し初の達成者に(Bettmann/Getty Images)

最初の達成者はジーン・サラゼン(※)。1922年に全米オープンと全米プロ、32年に全英オープンを制し、マスターズで決めた。前年に「オーガスタナショナル インビテーショナル トーナメント」として始まったばかりで、この2年目からインとアウトが入れ替わった。

最終日、3打差4位から出たサラゼンは15番(パー5)で残り235ydから4Wでアルバトロスを決め、クレイグ・ウッドとのプレーオフに持ち込んだ。大会で唯一となる36ホールのプレーオフを144ストロークでラウンド。5打差をつけて競り勝った。

ベン・ホーガン 1953年「全英オープン」

ベン・ホーガンはカーヌスティで快挙達成(Bettmann/Getty Images)

ベン・ホーガンは1946年に全米プロ、48年に全米オープン、51年にマスターズを制覇。49年に交通事故で瀕死の重傷を負って以降、マスターズと全米オープンに専念してほぼトーナメントには出場していなかったが、53年に再び両タイトルを獲得して渡英を決めた。

英国製の小さいボールで練習も重ねてスコットランド・カーヌスティに乗り込み、寒さによる古傷の痛みとも闘いながら最終日は当時のコースレコード「68」をマーク。282ストロークで後続に4打差をつけた。ホーガンが生涯で唯一出場した全英での快挙だった。

ゲーリー・プレーヤー 1965年「全米オープン」

1965年「全米オープン」を制したゲーリー・プレーヤー(Pictorial Parade/Getty Images)

ゲーリー・プレーヤー(南アフリカ)は1959年に全英オープン、61年にマスターズ、62年に全米プロとメジャー各大会で優勝を重ねた。62年は全米オープンも勝つチャンスがあったが、プレーオフに進めず敗退。ミズーリ州ベルリーブCCで行われた65年に決めた。

最終日に2打差を追いつかれながら、ケル・ネール(オーストラリア)との翌日の18ホールプレーオフへ。序盤からバーディを重ねてショットが荒れたネール相手に終始優勢に進め、3打差をつけて勝ち切った。米国人以外の大会優勝は38年ぶりだった。

ジャック・ニクラス 1966年「全英オープン」

ジャック・ニクラスはミュアフィールドでクラレットジャグを手に(R&A Championships/Getty Images)

メジャー最多18勝を誇るジャック・ニクラスは1962年の全米オープンでプロ初タイトルをつかむと、63年にはマスターズと全米プロを制覇。ミュアフィールドで開催された66年の全英オープンに臨んだ時点で26歳にしてメジャー5勝と本命視される存在だった。

大会を首位で折り返し、3日目は上がり5ホールで4つ落として「75」。2打差2位に後退したものの、最終日「70」をマークして逆転。通算282ストロークでデーブ・トーマス、ダグ・サンダースを1打差で振り切り、初めてクラレットジャグを掲げた。

タイガー・ウッズ 2000年「全英オープン」

タイガー・ウッズは聖地セントアンドリュースでグランドスラムを達成(Michael Joy/R&A/R&A via Getty Images)

タイガー・ウッズの伝説は1997年のマスターズを史上最年少(21歳3カ月14日)で制して始まった。99年に全米プロを勝ち、翌2000年の全米オープンでは後続に15打差をつけた。24歳は勢いのまま、聖地セントアンドリュース開催の全英オープンを制圧した。

2日目で単独首位に立ち、終わってみれば8打差の完勝。ただ一人60台をそろえた4日間で一度もバンカーにつかまらなかったという逸話も有名。通算269ストロークは2022年大会でキャメロン・スミス(オーストラリア)が更新するまで当地での最少スコアだった。

※現在の4大メジャーは「マスターズ」(1934年~)、「全米オープン」(1895年~)、「全米プロ」(1916年~)、「全英オープン」(1860年~)。生涯アマチュアとして戦ったボビー・ジョーンズは1930年に当時の4大メジャー「全英アマ」「全米アマ」「全英オープン」「全米オープン」を全て制覇した。