◇メジャー初戦◇マスターズ 3日目(12日)◇オーガスタナショナルGC(ジョージア州)◇7555yd(パー72)最終18番、右の林に打ち込みながらのパーセーブがディフェンディングチャンピオンの意地だった。世界ランキング1位のスコッティ・シ…

シェフラーは大会連覇へ7打差を追う

◇メジャー初戦◇マスターズ 3日目(12日)◇オーガスタナショナルGC(ジョージア州)◇7555yd(パー72)

最終18番、右の林に打ち込みながらのパーセーブがディフェンディングチャンピオンの意地だった。世界ランキング1位のスコッティ・シェフラーは2バーディ、2ボギーの「72」で3日目をプレー。「本当に何もできなかった。トーナメントから脱落してもおかしくない日だった」と浮上に失敗したムービングデーを悔しがった。

2番(パー5)でバーディを先行したとはいえ、1番も3番も3m前後のチャンスを決め切れなかっただけに文句なしの滑り出しとは言えない。タフな10、11番とナイスパーを並べた後の12番(パー3)でアイアンショットを左奥にミスしてボギー。13番(パー5)は右奥のバンカーから寄せた後の3mが入らない。「いいパットだった。ボールが落ちなかった」と、文字通りカップに嫌われた場面を振り返る。16番(パー3)もピン右奥の傾斜を使って回したティショットはイメージ通り。それでもバーディにつなげられなかった。

停滞の3日目を終え、通算5アンダー6位。トーナメントを引っ張る存在はジャスティン・ローズ(イングランド)からロリー・マキロイ(北アイルランド)に変わった。「僕は自分自身と、ゴルフコースと戦っている。他人のプレーはコントロールできない。誰がリーダーボードの上位にいるかなんて、僕には関係ない。いつだってその日できる最高のプレーをしようとしているし、(結果として)きょうはそれがイーブンパーだったというだけだ」。相手を意識するのではなく、首位との7打差にフォーカスすることを強調した。

「マスターズ」最終日における最大の逆転劇は1956年大会のジャック・バークJr。スタート時の8打差をひっくり返した。もっとも、シェフラーにとって意味を持つのは、過去の記録より自分の記憶。「去年、僕は2つの大逆転を経験している。当時、自分に過度にプレッシャーをかけたり、(意図的に)もっとアグレッシブにプレーしようとしただろうか?実際はそうでもない。ひたすら自分に多くのチャンスを与え、いいショットをたくさん打ち、いくつかのパットを決めることができた」とうなずく。

5打差6位からまくった「ザ・プレーヤーズ選手権」、そして4打差6位から金メダルに輝いた「パリ五輪」での成功体験が世界No.1の背中を押す。史上4人目の大会連覇を諦めていない。