パラ水泳の主要な国際大会である「ワールドシリーズ」が10日、富士市の静岡県富士水泳場で始まった。日本では初めての開催。世界各地の233選手が、男女別に12種目を障害によるクラスに関係なく競いあう。地元の子どもたちが、パラ競技に親しむ場にも…
パラ水泳の主要な国際大会である「ワールドシリーズ」が10日、富士市の静岡県富士水泳場で始まった。日本では初めての開催。世界各地の233選手が、男女別に12種目を障害によるクラスに関係なく競いあう。地元の子どもたちが、パラ競技に親しむ場にもなった。大会は12日まで。
ワールドシリーズは世界パラ水泳連盟が主催して、毎年、世界8カ国程度を転戦する。世界選手権やパラリンピック出場の記録認定の役割も担う大会だ。
日本パラ水泳連盟の河合純一会長は開始式で、東京パラリンピックがコロナ禍で無観客開催だったことに触れ、「世界最高峰の泳ぎをこの場で堪能いただき、最大限の声援を送っていただきたい」と話した。
パリパラリンピックで四つのメダルを手にした日本のエース、浜松市出身の鈴木孝幸選手(38)は3種目に出場する。初日は100メートル自由形で銀メダル。「国際大会ならではの雰囲気、緊張感がある。2日目、3日目と、パラ水泳の楽しさが伝わればうれしい。多くの方にみていただきたい」と語った。
富士水泳場では翌年の開催も決まっている。今年は各国・地域の代表など21の選手団が参加。スタッフを含め約500人が来日し、市民との交流の機会も設けられる。
地元の富士市は小中学生約500人が観戦する計画をたてている。10日はパラ水泳の観戦後、近くの北里アリーナ富士でボッチャなどを体験した。
6年生の髙井陽太さん(11)は「初めてパラ水泳を見て、最後まで諦めない姿がとてもかっこよかった。競技体験は想像よりずっと楽しかった。たくさんの人が体験して、色んな立場の人を理解していくきっかけになればと思う」と話した。(吉村成夫)