「広島8-7DeNA」(5日、マツダスタジアム) 広島の田村俊介外野手(21)が、延長十一回にプロ初アーチとなる代打サヨナラ本塁打を放った。球団史上初となる偉業を達成した未来の主軸候補。その幼少期を父・俊之さんが明かした。 ◇ ◇ 「…
「広島8-7DeNA」(5日、マツダスタジアム)
広島の田村俊介外野手(21)が、延長十一回にプロ初アーチとなる代打サヨナラ本塁打を放った。球団史上初となる偉業を達成した未来の主軸候補。その幼少期を父・俊之さんが明かした。
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「野球をするために生まれた子だと思います」
田村の父・俊之さんは、息子をそう表現した。
幼少期からとにかく野球が大好きだった。小学1年から地元チームに入団。土、日曜に練習があったが、それでは飽き足らず、練習後に車で1時間かけてバッティングセンターに通い、スーパー銭湯に入って帰宅するのが日課だった。「とりあえず練習が大好き。『練習を休んで買い物に行こうか』と言っても『2人(母と)で行って』と言われてましたね」と俊之さんは当時を懐かしむ。
上達も周囲が驚くほど早かった。「バッティングセンターでは最初、全く当たらなかったんですよ。それで初めは80キロで練習していたんですけど、小6の頃には150キロを打ってましたね」。小学5年時には、中学の指導者が田村を6年生と間違い、1年早く声をかけてしまったという怪物ぶりだった。
23年には代打で1軍デビューするも、そこから4打席で3三振。それでも地元・舞鶴では「フルスイングが気持ちいい。このまま頑張れ」と俊之さんへ、激励の言葉がたくさん届いたという。その豪快なスイングで放ったプロ1号。本拠地で描いた放物線は、最高の思い出となった。(デイリースポーツ広島担当・高橋涼太朗)