「巨人3-4阪神」(5日、東京ドーム) 阪神先発の富田蓮投手(23)は、味方の好守にも助けられながら5回1失点で今季1勝目。先発としてのプロ初勝利をつかんだ左腕に、母・早苗さんがメッセージを寄せた。  ◇  ◇ 蓮へ プロ先発初勝利おめで…

 「巨人3-4阪神」(5日、東京ドーム)

 阪神先発の富田蓮投手(23)は、味方の好守にも助けられながら5回1失点で今季1勝目。先発としてのプロ初勝利をつかんだ左腕に、母・早苗さんがメッセージを寄せた。

  ◇  ◇

 蓮へ

 プロ先発初勝利おめでとう!オフに帰ってきた時には「今年は先発でいきたい」と言っていたね。有言実行で感心しました。現地で観戦して、初回はヒヤヒヤしたけど、途中から落ち着いている姿を見て大丈夫だと思っていたよ。先発で勝てたことがすごくうれしい。前回の広島戦も現地で見て、フォアボールを出さなくなったところに成長を感じていました。

 開幕前最後の登板、3月22日・オリックスとのオープン戦(京セラ)、バントの場面では打席でかなり顔が引きつっていて。そういえば、中学の時もバッティングセンターでよくバント練習をしていたなと思い出しました。その日は失敗してしまったけれど、次の日には早速猛練習していたね。切り替えが早く、ポジティブなところは小さい頃から蓮のいいところだと思います。

 昨年の安芸キャンプ3日目。登板予定だった紅白戦の前に「やっちゃった。すぐ帰る」と蓮からLINEが入りました。藤川監督に代わったばかりのタイミングで離脱をし、アピールできないことにかなり焦りを感じていたようで。「リハビリ組を抜けられないと、和田塾(元ソフトバンク・和田らとの1月の合同自主トレ)にも行けない。でも絶対行きたいから」と頑張っていました。

 無事に参加できた「和田塾」は、YouTubeの動画を見て、トレーニングも食事も「ここまでやっているんだ」と驚いた。1年目に比べ、今年はだいぶ打ち解けている様子でした。普段はあんまりああだこうだ言わない性格だけど、「和田塾」を終えた後には「いい感じ」と言っていたね。手応えをつかんだのかなと感じていました。

 オフからは初の1人暮らしをスタートして、料理にも挑戦。「材料は何を買ったらいい?」とか「味付けは何でしたらいい?」とかよく連絡してくるよね。こないだピーマンの肉詰めを作っていた時は「表裏どっちから焼くの?」と(笑)。送ってくれた写真を見たらなかなかの出来で、意外と料理に向いてるんじゃないかなと思いました。

 登板した3月22日も疲れているはずなのに、「自分で作る」と帰ってきてから炒め物を作っていたね。体重が落ちないか心配で、「外食でもいいからもっとがっつり食べた方がいいんじゃない?」とも言ったけど、カロリー面や栄養を気にして自炊を頑張っている姿には感心します。

 開幕ローテをつかんだことはすごいけれど、ここからだと思います。自分らしいピッチングをして、「富田なら負けない」と思ってもらえるような信頼を勝ち取ってほしい。抜てきしてもらった期待に応えられるように、応援しているよ!母より

 ◆富田の父・広之さん(岐阜の自宅から応援に駆けつけ)「最高にうれしいです。ちょっとうるうるきていました。和田さんの自主トレに行ってから強い球を投げられるようになったなと成長を感じています。みんなでつないでもらって、いいチームに入らせてもらったなと感謝しかないです」