ノルディックスキー・ジャンプ女子の高梨沙羅(28)が5日、横浜市内で、所属先であるクラレの国際社会貢献活動「ランドセルは海を越えて」に参加した。 ランドセルで用いられる人工皮革「クラリーノ」を製造販売するクラレが、全国から使い終わったラン…

 ノルディックスキー・ジャンプ女子の高梨沙羅(28)が5日、横浜市内で、所属先であるクラレの国際社会貢献活動「ランドセルは海を越えて」に参加した。

 ランドセルで用いられる人工皮革「クラリーノ」を製造販売するクラレが、全国から使い終わったランドセルを集め、学用品とともにアフガニスタンの子供に届ける活動。2004年に開始し今回で22回目、これまで約16万個のランドセルが海を渡った。

 2018年に社員となってからは、昨年に続き4回目の参加。高梨は同社の新入社員75人、ボランティア含む約200人と一緒に、約7000個のランドセルの開梱作業等を行った。「小学校の思い出が詰まったランドセル。紛争で困っているアフガニスタンの一人でも多くの子供たちに届いてもらえれば」とやりがいを語った。

 新入社員とは交流を楽しみながら作業に取り組んだ。「こういう機会に時間をともにできるのは嬉しい。初心に戻って新鮮な気持ちになります」と話し、「たくさんの人と話をしながら、次のこどもたちへ夢をつなぐ作業ができて幸せ」と続けた。

 高梨自身はランドセルを手荒く使っていたといい「私は大切に使えなかった方。ランドセルを背負いながら鉄棒して、そのまま後ろから倒れたり。自分の身を守ってくれた思い出しかない。今の自分があるのもランドセルのおかげかな」といたずらっぽく笑った。

 今季はルール変更に苦しみ、最高4位、個人総合12位、14季連続の表彰台は逃した。来季はミラノ・コルティナ五輪が控えている。

 高梨は「結果を残すことができず、ルール変更にフィックスする難しさを感じたシーズンでしたが、そこからたくさんのことを学んだ。オリンピックに向けて自分のできる限りのことをしてつなげていけたら」と語った。

 苦しんだテレマークについては「15点台から始まって、最終的に18点まで出せた。印象もあると思いますし、地道にトレーニングしてきたからこそ。続けていきたい」と述べ、日常生活でも「立っている時にだいたい右足を前に出します。階段を下りるときも右足で降りるような動作を心がけたり。できる限りのことはやっているつもり」と語る。

 その成果については「地上ではそうですね。でも、現場では90から100キロという速度も出ていますし、風圧もあるので、そこで意識することを入れられるか」と、簡単な道のりではないようだ。それでも、五輪シーズンを見据え「五輪に向けて4年間を費やしてきたので、そこで自分の納得できるパフォーマンスができるようにしたい」と先を見据えていた。