業界を揺るがせたレッドブルの交代劇に持論を語ったハミルトン。(C)Getty Images 世間を驚かせた異例の交代劇にも百戦錬磨の男は冷静だった。現地時間4月3日、F1フェラーリのルイス・ハミルトンが、去る3月27日に発表された名門レッド…

業界を揺るがせたレッドブルの交代劇に持論を語ったハミルトン。(C)Getty Images

 世間を驚かせた異例の交代劇にも百戦錬磨の男は冷静だった。現地時間4月3日、F1フェラーリのルイス・ハミルトンが、去る3月27日に発表された名門レッドブルの行ったドライバー交代に持論を展開した。

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 開幕間もないタイミングでの断行だった。レッドブルは、今季からセカンドドライバーとして昇格したばかりだったリアム・ローソンの降格を公表。そして姉妹チームのレーシングブルズから角田裕毅を昇格させたのだ。

 たしかにローソンは開幕から不調を極めていた。エースドライバーのマックス・フェルスタッペンを活かすために開発されたマシン「RB21」の適応に苦心した23歳は、オーストラリアGPと中国GPでいずれも“結果”を残せず。ゆえにレッドブル首脳陣からも「起用したのは間違いだった」(レッドブルのシニアアドバイザー、ヘルムート・マルコ博士談)と断じられた。

 もっとも、「フェルスタッペン以外に乗りこなせない」とされるマシンへの適応は、おそらくどのレーサーにとっても簡単ではない。それだけに開幕2戦で俊英を挿げ替えた判断は一部で波紋を呼んでいた。

 しかし、業界内で激震が走った決定にもカリスマは冷静だった。米スポーツ専門局『ESPN』の取材に答えたハミルトンは「彼らが早く動いたことに驚きはしない。ノットサプライズだ」と説明。そして、電撃的な決定によってプレッシャーに苛まれる立場となった角田とローソンを慮った。

「ふたりとも素晴らしいドライバーだ。ここには本当に素晴らしいドライバー、特に若くて才能のあるドライバーがたくさんいると思っている。若いドライバーには当然だけどプレッシャーがかかる。それなのに、ただでさえ運転が簡単じゃないと知られる、あのマシンを完全に乗りこなすのは無理だ。(ローソンは)2レースに出るだけでもかなり大変だっただろうし、厳しいと思うよ」

 数多の経験を培って、F1の酸いも甘いも見てきた。そんなカリスマの金言をローソン、そして角田はどう捉えるだろうか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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