足腰を鍛えるうえで、もっとも一般的な筋トレ種目といえば「スクワット」です。自重のみで行うスクワットが基本となり、慣れてきたらバーベルを担いで重量負荷を増やしていきます。筋トレの王道「スクワット」の効果とやり方、正しいフォーム、種類と回数今回…
足腰を鍛えるうえで、もっとも一般的な筋トレ種目といえば「スクワット」です。
自重のみで行うスクワットが基本となり、慣れてきたらバーベルを担いで重量負荷を増やしていきます。
筋トレの王道「スクワット」の効果とやり方、正しいフォーム、種類と回数
今回は、角谷剛トレーナー解説のもと、バーベルスクワットの正しいフォームとやり方、重量と回数をレクチャー。
もっとも一般的な「バック・スクワット」のほか、「フロントスクワット」や「オーバーヘッドスクワット」なども解説します。
バックスクワットの効果と正しいフォームポイント
「バック・スクワット」から解説していきます。
鍛える箇所(メイン):殿部、ハムストリングス、大腿四頭筋鍛える箇所(サブ) :ふくらはぎ、腰、背中扱う重量 :もっとも重いバーベルを体の後ろで担ぐスクワットです。さらにバーベルを高い位置(首の根っこ)にするか、やや低い位置(肩の後ろ)にするかで、効かせやすくなる筋肉群は微妙に異なってきます。
ここで紹介しているのは、高い位置のバック・スクワットです。
▲バック・スクワット(前から見たフォーム)
▲バック・スクワット(横から見たフォーム)
両手を肩幅よりやや広めにしてバーベルを握り、後はエアー・スクワットと同じ動作を行います。
フロントスクワットの効果と正しいフォームポイント
次は「フロントスクワット」です。
鍛える箇所(メイン):殿部、ハムストリングス、大腿四頭筋鍛える箇所(サブ) :ふくらはぎ、腰、背中、上腕二頭筋扱う重量 :やや軽いバーベルを体の前方で担ぎます。手のひらを上に向けて、肘をバーベルの前方でなるべく高く上げましょう。この姿勢をフロント・ラックと呼び、肘と手首の角度を固定してスクワットを行います。
肩や手首の柔軟性に欠ける人にとっては、やや難しい動作でしょう。
▲フロント・スクワット(前から見たフォーム)
▲フロント・スクワット(横から見たフォーム)
バーベルの持ち方以外の動作はバック・スクワットと同じです。ただし上記の理由から、扱える重量はやや軽くなります。
また、どうしても姿勢が前屈みになりがちなので、そのことを意識することによってフォームの修正に役立つでしょう。
オーバーヘッドスクワットの効果と正しいフォームポイント
ここからはオーバーヘッドスクワットの解説です。
鍛える箇所(メイン):殿部、ハムストリングス、大腿四頭筋鍛える箇所(サブ) :ふくらはぎ、腰、背中、肩、上腕二頭筋、上腕三頭筋扱う重量 :もっとも軽いバーベルを広く握り、頭上に固定したままで行うスクワットです。肘を伸ばした状態でロックし、脇の裏を正面に向けましょう。この姿勢をアクティブ・ショルダーと呼びます。
バーベルをこの位置に維持するためには上半身の筋力、バランス、そして柔軟性も重要な要素になります。
▲オーバーヘッド・スクワット(前から見たフォーム)
▲オーバーヘッド・スクワット(横から見たフォーム)
もっとも難易度が高く、扱う重量はもっとも軽くなるスクワットです。筋力や柔軟性に欠ける筋トレ初心者は塩ビパイプなどから始めてください。
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次:共通ポイント、重量と回数
スクワットを行うときの共通ポイント
バーベルを担ぐか自重で行うかを問わず、スクワットを行う際に基本となる共通のチェックポイントを確認しましょう。
エアー・スクワット(すべてのバリエーションに共通)
視線まっすぐ前方、もしくはやや上向きに視線を固定することで、上体の姿勢を維持します。視線が下がると腰も曲がってしまうので注意してください。
上半身背筋の自然なカーブを維持して、胸を張ります。
お尻お尻はまず後方に突き出し、次に下げます。お尻が膝より低くなるまでしゃがみましょう。
膝両膝をやや外側に開き、膝がつま先より前に出ないようにします。
つま先つま先は膝と同じ方向(やや外側)に開きます。
踵(かかと)重心を踵に置きましょう。踵は床から浮かないようにします。
バーベルスクワットの重量と回数
各スクワットのバリエーションにより、正しいフォームで1回だけ挙げることができる最大の重量(1RM)は異なります。
従って、どのバリエーションのスクワットをメニューに組み入れるにしても、まずは1RMを測定することが重要なステップです。
1RMとは、正しいフォームで1回だけ挙げることができる最大重量のこと。
筋トレ効果を正しく得るために覚えておきたい指標「1RM(最大挙上重量)」とは?
1RMを測定した後、自分の目的に沿ってメニューを組んでいきましょう。スピードやパワーをつけるなら重量を増やし、筋持久力をつけるなら回数を増やすのが筋トレの原則です。
言い換えるなら、筋肥大を目的にするなら高重量少回数(1RMの100~80%の重量で3~6セット)、痩せることが目的なら低重量高回数(1RMの75%以下の重量で2~3セット)を大体の目安としてください。
◆筋肥大が目的の場合
⇒高重量、回数少なめ(1RMの100~80%の重量×3~6セット)
◆ダイエットが目的の場合
⇒低重量、回数多め(1RMの75%以下の重量×2~3セット)
筆者プロフィール
角谷剛(かくたに・ごう)アメリカ・カリフォルニア在住。IT関連の会社員生活を25年送った後、趣味のスポーツがこうじてコーチ業に転身。米国公認ストレングス・コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)、CrossFit Level 1 公認トレーナーの資格を持つほか、現在はカリフォルニア州アーバイン市TVT高校でクロスカントリー部監督を務める。また、カリフォルニア州コンコルディア大学にて、コーチング及びスポーツ経営学の修士を取得している。著書に『大人の部活―クロスフィットにはまる日々』(デザインエッグ社)がある。
【公式Facebook】https://www.facebook.com/WriterKakutani
<Text & Photo:角谷剛>