J1、J2、J3、全ての日程が終了。 サッカーが恋しくなる、私達サポーターにとって寂しいシーズンオフの12月。天皇杯決勝が行われました。2018年度は、鹿島のACL日程の兼ね合いで、この時期に決勝開催。 なんとな〜く、こたつにみかんで決…

J1、J2、J3、全ての日程が終了。

サッカーが恋しくなる、私達サポーターにとって寂しいシーズンオフの12月。天皇杯決勝が行われました。2018年度は、鹿島のACL日程の兼ね合いで、この時期に決勝開催。

なんとな〜く、こたつにみかんで決勝観戦したくなってしまいますが、それも贅沢な悩み。選手達のコンディションやオフ期間を考慮すると、今年の取り組みは、日本サッカーの発展のためでもあります。さぁ、そんな天皇杯決勝にスポブル編集部から取材班が向かいました。決勝取材を担当してくれたのは、スポーツライターの石田達也さん。

石田さんが「Jの部屋」にちょっと早いクリスマスプレゼントを届けてくれました。浦和レッズの記者も務める石田さんによる埼スタ・天皇杯決勝レポート、本格的な戦評と決勝の舞台裏、どうぞお楽しみくださいね。

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「Jの部屋」にお邪魔して、9日に行われた「天皇杯JFA 第98回全日本サッカー選手権大会決勝戦」の模様をレポートさせて頂きました。スポブルユーザーの皆さん限定記事、ぜひご一読ください。石田達也(スポーツライター)

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「勝者も敗者も紙一重」

今年の対戦は12大会ぶりの優勝を目指す浦和レッズと初優勝を目指すベガルタ仙台の顔合わせとなった。

試合は前半13分、コーナーキックのこぼれ球にMF宇賀神友弥がワールドクラスのダイレクトボレーで突き刺すと、そのまま無失点に抑えた浦和が7回目の優勝を手にした。

 

「(監督から)あのこぼれ球の部分は言われていて、信頼をしてもらってあのポジションに自分はいます。ゴールの形は出来すぎですが、決勝の舞台で優勝を決めるゴールを決められたことは本当に良かったです」(宇賀神)

 

前日練習から、同じようなシチュエーションを想定し、こぼれ球を拾ってシュートにまで持ち込むトレーニングをしていたことが実を結んだ。その後は、仙台の反撃を受けながらも体を張った守備でブロック。結果、シュート数は浦和の7本に対し、仙台は16本ものシュートを打ったが、赤い壁が何度も跳ね返し続けた。

 

「僕は絶え間なく“球際に行け”と。1人ひとりが球際に行って鼓舞することを前半から言い続けました」(宇賀神)

 

そして、今シーズン限りで現役を引退する平川忠亮のラストマッチに花を添え「勝手に子弟関係というか(笑)、同じポジションでずっとやってきたライバル選手として、先輩として、ヒラさんの引退は感慨深いもの。最後に優勝して送り出したい気持ちは人一倍でした。その気持ちがあのゴールにつながったと思いますし、しっかりと勝ち切る姿を見せたことで、“宇賀神に自分の後を任せてもいい”と。そして“浦和の未来を託してもいい”と思ってもらえたと思います」と、この試合のヒーローは胸を張った。

 

一方、悲願の初優勝まで、あと一歩届かなかった仙台。勢いに乗りながら初となる決勝の舞台にまで辿り着いたが、決定力とアウェイ5万978人の雰囲気を崩せなかった。

仙台のキャプテンマークを巻いたDF大岩一貴は「本当に勝ちたい試合でした。チームとして、やってきたことは出せたと思いますが、ただ勝負なので結果がすべてです」と声を落とした。

 

宇賀神のスーパーゴールで1失点はしたが、気持ちを切り替え、チームで意思統一をしなおした。大岩自身も守備で奮闘し“浦和のエース”FW興梠慎三とマッチアップをすると体を投げ出しながら粘り強い守備を見せたが1点が最後まで遠かった。

 

大岩は、スタンド上段で行われた浦和の表彰式をピッチから見つめ「あの風景は凄く悔しかったですし、あそこで喜びたいと思いました。決勝までプレーできたこと、目の前で優勝を決められたことを忘れてはいけない。これをバネに成長できると思いますし、これでしか得られないものもあると思うので生かしたいです。この思いは来年にきっとつながります」と、リベンジを誓った。

 

これで国内での2018シーズンの公式戦は幕を閉じた。

勝者がいれば、そこには敗者も存在する。

 

来シーズンに向けて、勝者は自信を胸に戦い、敗者は悔しさをバネに戦う。お互いが切磋琢磨しながら、勝利を追及することで、プロとしての成長を結果という形で証明してくれるだろう。

「その雄姿を見たい」と切に願い、サッカーシーズンの到来を待ち切れないのは、私だけではないはずだ。

取材・文 / 石田達也

スポーツライターの石田さん、天皇杯決勝取材ありがとうございました。改めて、浦和レッズとベガルタ仙台に拍手を贈りたいと思います。そして、阿部勇樹選手の涙、非常に灌漑深いものがありました。勝手ながらスージーも、貰い泣きをさせて頂きました。

天皇杯には、沢山のドラマがあります。リーグ戦とはまた違った魅力を体感できる天皇杯、来シーズンも1人でも多くの人達に1試合でも多く目撃してほしいなと願います。

文/ スージー(スポブル編集部)

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J.LEAGUE全国各地のスタジアムに一人でも多くの人を誘いたいスポブル新人編集部員スージーが、J.LEAGUEに関わるヒト、コト、モノを記事化するスポブル限定コンテンツ。阿部勇樹選手のフリーキックを市原臨海競技場で観た翌日から、J.LEAGUEサポーターになったスージー。雨の日も風の日もJ.LEAGUEという最高の空間で泣き笑い怒り、サッカー取材に携わり十数年。過去取材では、名将イビチャ・オシム氏から突然オシム語録を継承され、大勢のメディアが集う国立競技場で大恥をかいた苦い経験も併せ持つ。個人的な夢は、インターネットとJ.LEAGUEと地域のさらなる共存。千葉県出身で、J2/ジェフユナイテッド市原千葉に興味が高い。今季の期待は、高橋壱晟(たかはし・いっせい)選手(J2/レノファ山口FC)の突破力。

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