「人としてもサッカー選手としても未熟」

記事冒頭の動画は「2018 J.LEAGUE キックオフカンファレンス」に登場した「柏レイソル」中村航輔選手の言葉。シンプルに一言だけ世界への決意を語った守護神は、戦術やビジョンを口にすることはなかった。ストイックすぎる若武者の想いは、まもなく開幕を迎える J.LEAGUEのピッチで表現され、世界に戦いを挑む。

「(ロシアW杯サッカー日本代表)メンバー入りを目指す。そのためにも柏で過ごす毎日を大切にしたい。」

普段あまりサッカーに触れ合わない人も、W杯開催までの数ヶ月間だけ「柏レイソル/中村航輔」の姿を目撃しておいても、損はない。反応しまくり全身止めまくりの超絶プレーは毎週末、全国のスタジアムでお目見えする。シュッとした醤油顔の勇敢な侍がゴール前でファインセーブを繰り返す瞬間は、鳥肌モノだ。

「コンディションは良好」

即座に答える侍に日の丸を背負う覚悟など愚問だろう。カップ戦や遠征により過密日程の中迎えるJ開幕、中村が所属する「柏レイソル」は、チームコンディションを最高値まで持ち込んだ。若干23歳の中村航輔は、J.LEAGUEという戦い慣れた舞台から世界を見据え、目の前の課題だけに集中していく。

「正(せい)ゴールキーパー」と呼ばれるレギュラーポジションは、たったひとつ。特に国際Aマッチにおいては、経験がものをいう重要ポジションだ。しかし、中村本人は、まるでベテラン選手かのようにどっしりと構えた姿をみせていた。「非常に頼もしい」、こんな当たり前の言葉しか出ないくらいの存在感を醸し出していた。ワールドカップイヤーだからこそ、心と体を万全の状態まで持ち込んできたのかもしれない。

先日開催された千葉とのダービーマッチ「ちばぎんカップ」では、ある実況者が千葉の近藤と増嶋の布陣を「柏レイソルが強かった頃の守備を思い出す」と慌ただしく表現していたが、少しだけ言葉が足りなかったかもしれない。「柏レイソルがJ.LEAGUE 王者として追われていた時代」は、決して過去の話ではない。

柏の2018シーズンは、アウェイ仙台に乗り込み上昇していく。チームを鼓舞しながら世界を見据える守護神・中村航輔に休みなどない、その姿こそが柏最強伝説の証なのだ。

熱血取材/文:編集部スージー

 

余談:かつての名将イビチャ・オシムは、日本のスポーツメディアに向かって否定を繰り返していた事実がある。それは「ゴールキーパーのミスを責めてはいけない。」そして「ゴールキーパーのミスは、失点に繋がる唯一のポジションだからだ。他の選手だって試合中にミスをしているじゃないか、なのにメディアはゴールキーパーのミスばかり追及する、何故だ!」と怒りをぶちまけた。記者会見場は凍り付き、著名なスポーツライター達も一斉に下を向いたものの、その数週間後には新たなオシム語録も飛び出した。「優秀なゴールキーパーは、変なやつが多い。だから、我々が彼らに気をつかう必要はない。守備も試合中のプランも全部、ゴールキーパー本人の頭の中にあるはずだ。」言われてみればその方程式は、確かに当てはまる。サッカーにおいてゴールキーパーという存在は、ミステリアスで哲学的だ。

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【編集部スージーの熱血取材「Jの部屋」】とは?

J.LEAGUE全国各地のスタジアムに一人でも多くの人を誘いたいスポブル新人編集部員スージーが、J.LEAGUEに関わるヒト、コト、モノを取材し、記事化。スポブル限定コンテンツで公開中。阿部勇樹選手のフリーキックを市原臨海競技場で観た翌日から、J.LEAGUEサポーターになったスージー。雨の日も風の日もJ.LEAGUEという最高の空間で泣き笑い怒り、サッカー取材に携わり十数年。過去取材では、名将イビチャ・オシム氏から突然オシム語録を継承され、大勢のメディアが集う国立競技場で大恥をかいた苦い経験も併せ持つ。個人的な夢は、インターネットとJ.LEAGUEと地域のさらなる共存。千葉県出身で、J2/ジェフユナイテッド市原千葉に興味が高い。今季の期待は、高橋壱晟(たかはし・いっせい)選手(J2/レノファ山口FC)の突破力。

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