プロ野球の開幕から約半月が経過した。4月13日終了時点(以下同)で、セ・リーグは首位の広島から6位の中日まで2.5ゲーム差と混戦模様となっている。一方で選手個人に目を向けてみると、想像以上の活躍を見せている選手が投打ともに目立っている。 野…

プロ野球の開幕から約半月が経過した。4月13日終了時点(以下同)で、セ・リーグは首位の広島から6位の中日まで2.5ゲーム差と混戦模様となっている。一方で選手個人に目を向けてみると、想像以上の活躍を見せている選手が投打ともに目立っている。

 野手では甲斐 拓也(巨人/楊志館)がそのひとりだ。FA権を行使し、今シーズンから巨人に加入した甲斐は、ここまで全13試合でスタメンマスクを被り、打率.353(51打数18安打)、OPS.852、得点圏打率.313と、まさに主軸の活躍を見せている。強肩をはじめとする守備面での評価は高かったものの、打撃面では苦戦してきた甲斐が、これだけ結果を残しているのは阿部 慎之助監督にとっても嬉しい誤算だろう。

 新戦力では茂木 栄五郎(ヤクルト/桐蔭学園)も存在感を示している。楽天からヤクルトに移籍した茂木は、村上 宗隆(九州学院)が離脱していることもあり、11試合中10試合に三塁でスタメン出場。打率.281(32打数9安打)、出塁率.378の打撃に加え、守備でも安定した送球を度々見せている。すでに村上は二軍で実戦復帰しているが、茂木は三塁だけでなく他のポジションも守れる。村上は二軍で右翼の守備にもついており、「三塁・茂木、右翼・村上」のパターンも考えられる。

 その他では末包 昇大(広島/高松商)が打率.317(41打数13安打)、11打点と気を吐き、現在は打点王争いのトップを走っている。得点圏では打率.556を誇り、まさに相手球団にとっては脅威以外の何者でもない。

 先発投手では、山崎 伊織(巨人/明石商)と松葉 貴大(中日/東洋大姫路)の兵庫県の高校出身者2人がともに2勝を挙げている。山﨑は2年連続で2桁勝利の実績があるものの、オープン戦では打ち込まれる場面が目立ち、先発ローテーション争いにギリギリで食い込んだ。その鬱憤を晴らすかのように2連勝を飾り、16回を投げていまだ失点なしと圧巻の内容だ。

 昨シーズンまでは5回で降板することが多かった松葉は、今季は3試合中2試合で7回を投げて1失点以下に抑え、いずれも勝利投手となっている。長いイニングを投げきれるようになったのは大きな収穫だろう。

 中継ぎでは石山 泰稚(ヤクルト/金足農)が復活の兆しを見せている。守護神候補だったバウマンの離脱により守護神として起用され、6試合連続無失点。6回を投げて8奪三振、与四球0、被安打もゼロという完璧な内容。4月5日の中日戦ではイマキュレートイニング(3者連続3球三振)の離れ業も披露した。

 想像以上の開幕ダッシュに成功した選手たちは、今後どこまで好調を維持できるだろうか。これからもそのプレーに注目が集まる。