大相撲春巡業が13日、千葉市で行われた。この日は「大阪・関西万博」が開幕。日本相撲協会は8月3日に夏巡業の「万博場所」を控え、夏場所(5月11日初日、東京・両国国技館)が綱取りとなる大関・大の里(24)=二所ノ関=が、国際的なイベントでの…
大相撲春巡業が13日、千葉市で行われた。この日は「大阪・関西万博」が開幕。日本相撲協会は8月3日に夏巡業の「万博場所」を控え、夏場所(5月11日初日、東京・両国国技館)が綱取りとなる大関・大の里(24)=二所ノ関=が、国際的なイベントでの横綱土俵入りに意欲をみせた。この日は優勝した春場所後初めて横綱・豊昇龍(25)=立浪=、大関・琴桜(27)=佐渡ケ嶽=と申し合いを行い、夏場所に向けて本格始動した。
大の里の目が輝いた。千葉市巡業の稽古後、報道陣と、この日開幕した「大阪・関西万博」の話題に。8月3日に夏巡業「万博場所」が控えることにも話が及ぶと「いい形で大阪万博に行けたらいい」と語った。「いい形」の具体例までは明言しなかったが、横綱に昇進して迎えることが最高の形だ。豊昇龍との横綱土俵入りが実現すれば、SUMO人気が高まっている海外に向けても、更なるアピール機会となる。
万博場所まで、チャンスは2回ある。初の綱取りとなる5月の夏場所と7月の名古屋場所だ。名古屋後までに昇進すれば所要14場所で、昭和以降では羽黒山、照国の初土俵から所要16場所を抜く最速で話題性十分。3月の春場所は大阪開催だったこともあり、優勝一夜明け会見では万博公式マスコット「ミャクミャク」のタオルを手に笑顔を見せた。今度は8月、脈々と受け継がれてきた国技の最高位として、大阪で戻ってくるつもりだ。
約4000平方メートルのEXPOメッセ「WASSE」で行われる巡業の入場方法や販売方法などは後日発表される。大相撲は10月にロンドン、来年6月にはパリで公演を予定。万博は“世界進出”の足がかりとなる。
この日は、豊昇龍、琴桜と春巡業で初めて相撲を取った。本場所では不戦勝を除き過去1勝5敗と苦手の豊昇龍とは春場所前の稽古以来の手合わせ。3勝4敗も右差し、左おっつけは迫力十分。「横綱、大関と稽古でき、いい空気感」。今後は関東での巡業が続き「(移動での)体への負荷もあまりないので、稽古に集中していく」とペースを上げる。万博での横綱・大の里の“世界デビュー”実現に向け、黙々と稽古を重ねる。(山田 豊)
◆世界的イベントと横綱土俵入り 1998年の長野五輪では開会式で当時横綱だった曙(故人)が横綱土俵入りを披露した。2020年開催予定の東京五輪でも開会式で土俵入りの噂があり、横綱・白鵬が意欲を見せていた。だが、コロナ禍で21年に延期されたこともあり、実現しなかった。