◇国内男子◇東建ホームメイトカップ 3日目(12日)◇東建多度カントリークラブ・名古屋(三重)◇7069yd(パー71)◇晴れ(観衆5238人)「飛距離が出せればなあ…」。平均飛距離が伸びれば有利、そんなことは分かっている。じゃあ、どれく…

◇国内男子◇東建ホームメイトカップ 3日目(12日)◇東建多度カントリークラブ・名古屋(三重)◇7069yd(パー71)◇晴れ(観衆5238人)
「飛距離が出せればなあ…」。平均飛距離が伸びれば有利、そんなことは分かっている。じゃあ、どれくらい? それを本気でデータ化したら、生源寺龍憲は下部ツアーの賞金王まで上り詰めた。
2023年に下部2勝をあげて賞金王に輝き、レギュラーツアーに昇格した翌24年は賞金ランキング29位で初シードを獲得。ここ数年の飛躍の理由は、ち密なデータ分析にある。
「ただガムシャラにやるのが、もったいないなと思ったんです。感覚で“これくらいできたらいいな”っていうのを可視化したかった」。そう決めた22年、主戦場だった下部ツアー全選手の賞金額、各スタッツをパソコンに打ち込んだ。「賞金ランクが上の選手は、どのデータが良いのかを知りたくて」。膨大なデータとにらめっこして、はじき出した結果は「やっぱり、飛距離」。
当時270~275ydだった自分の飛距離では、上位選手に15yd足りない。「だったら、そこに向けてトレーニングを組み立てればいい」。今林伸司トレーナーと組んだメニューをこなし、毎日のように筋肉痛と戦うこと3カ月。「割とあっさり、数字はクリアできた」と平均飛距離を290ydまで伸ばしたら、結果は自然とついてきた。
「パー5で2オンできるところが増えた。もともと曲がらないので、距離を出せればチャンスが広がるっていうのが、より分かった」。昨年は本大会で金谷拓実と優勝争いを演じて2位に入ったほか、シーズン3度のトップ10入りを果たし、あとは初優勝を狙うだけ。今週の開幕戦で第2ラウンドに「64」をマークして単独首位に立つと、3日目も「66」と伸ばして2位に3打差をつけた。
自信を持って迎えた新シーズンは、来季米ツアー挑戦も視野に入れている。「自分の思ったようにはやれているので、落ち着いてプレーすればいいかなと思います」。目標を決めたら、実行する能力は誰にも負けない。(三重県桑名市/谷口愛純)