◇メジャー初戦◇マスターズ 事前(7日)◇オーガスタナショナルGC(ジョージア州)◇7555yd(パー72)「このパットを決めれば、メジャー優勝だ」――。子供が優勝シーンを架空実況しながらカップに向かって無邪気に打つ経験は、自分の幼い頃に…

3つ目のメジャータイトルを目指すザンダー・シャウフェレ(提供:Augusta National Golf Club)

◇メジャー初戦◇マスターズ 事前(7日)◇オーガスタナショナルGC(ジョージア州)◇7555yd(パー72)

「このパットを決めれば、メジャー優勝だ」――。子供が優勝シーンを架空実況しながらカップに向かって無邪気に打つ経験は、自分の幼い頃にも「あった」という。そんなザンダー・シャウフェレがメジャー初タイトルを手にしたのは昨年のこと。「全米プロ」で優勝し、同年「全英オープン」も制覇。世界ランキング3位の優勝候補として7日、公式会見に臨み、3つ目のメジャータイトルにかける思いを語った。

どの試合も目標は優勝に変わりないが、大舞台のそれは格別なもの。以前なら「自分にはまだ遠い」と思っていたタイトルへの意識が、メジャー2冠を手にして「自分はもっと近いところにいるんだ」と変化した。「前は“もっともっと上手くならなければいけない”と自分に言い聞かせていた」と明かす。

忘れられないのはスコットランドのカーヌスティで行われた2018年「全英オープン」。2連覇がかかるジョーダン・スピースと最終組でプレーして「74」を叩いて2位。フランチェスコ・モリナリ(イタリア)に優勝を譲った。「ジョーダンと優勝争いをしていた時、まるでロープを掴んでいるのに滑り落ちていって。どうやっても(そのロープを)掴めない感じで、フロントナインが終わったらスコアが確か44(実際は40)。“なんてこった”と思った」とメジャーの壁の厚さを味わった。

それでも、全メジャーのタイトルを手にした選手のみに与えられる称号「キャリアグランドスラム」は「信じられないかもしれないけど、メジャーで1勝する前から常に意識していた」という。残るタイトルは今大会と「全米オープン」となって「31歳でその夢に近づいているのがうれしい」と話した。

今大会の最高位は、タイガー・ウッズが11年ぶりのメジャー制覇を達成した2019年の2位。オーガスタについて「ここは試合への準備をする上では最高の環境。お菓子屋さんに入った子供みたいに、夢中になってしまう。大事なことは、一日中練習したくなる気持ちにならないよう、しっかり準備を整えて臨むこと」。最後に「今週は勝てると思いますか?」と問われると、「そうでなければここにはいない」と屈託のない笑顔で言い切った。(ジョージア州オーガスタ/石井操)