(6日、サッカーJ1 アルビレックス新潟1―0ヴィッセル神戸) 試合終了の笛が鳴ると、新潟の選手やスタッフは抱き合って喜んだ。開幕から唯一、白星のなかったチームが、2連覇中の王者を破った。 決勝点は今季から率いる樹森大介監督が磨いてきた形…
(6日、サッカーJ1 アルビレックス新潟1―0ヴィッセル神戸)
試合終了の笛が鳴ると、新潟の選手やスタッフは抱き合って喜んだ。開幕から唯一、白星のなかったチームが、2連覇中の王者を破った。
決勝点は今季から率いる樹森大介監督が磨いてきた形だった。前半12分、敵陣でMF星雄次が奪った球を拾い、運んだのはMF長谷川元希。相手をかわし、ペナルティーエリア外から右足で沈めた。「思い描いたことが全部うまくいった」。今季4点目を挙げた26歳は笑った。
短いパスをつなぎ、球を保持し、敵陣に攻め込む。そんな新潟のスタイルは2020年に就任したスペイン出身のアルベル氏が築き、松橋力蔵前監督(現FC東京監督)が発展させた。昨季のルヴァン杯では準優勝した。
トップチームでの監督経験がなく、J2水戸ホーリーホックのコーチから抜擢(ばってき)された樹森監督もその土台を引き継ぐ。試合前の時点で1試合平均のパス数は2位、ボール支配率は3位。ただ、球の保持が目的になり、今季取り組む守備からの速攻が「おろそかになっていた」と長谷川。「監督が目指すものが得点につながって良かった」とうなずいた。
この日は大半の時間で支配され、シュート数は5対11と下回った。それでも集中した守りで今季初の無失点。理想とするサッカーへの道は半ばだが、樹森監督は「僕らに足りなかったのは勝ち点3だった。この勝利をいい方向につなげたい」。最下位からの巻き返しを誓った。(岩佐友)
堀米(新) 3試合ぶりに先発した主将。「サッカーは楽しむものだと試合前に伝えた。ここがターニングポイントだったと言えるようにしたい」
扇原(神) 「点を取れる自信はあった。いい試合の入りをしただけに勢いを落としたのはもったいなかった」