パリ五輪のセーリングで銀メダルを獲得した岡田奎樹(けいじゅ)選手(28)が、高校時代を過ごした佐賀県唐津に戻ってきた。国民スポーツ大会では圧倒的なスピードで優勝、母校の唐津西高校では約500人の生徒らに五輪の裏話などを披露した。 岡田選手…

 パリ五輪のセーリングで銀メダルを獲得した岡田奎樹(けいじゅ)選手(28)が、高校時代を過ごした佐賀県唐津に戻ってきた。国民スポーツ大会では圧倒的なスピードで優勝、母校の唐津西高校では約500人の生徒らに五輪の裏話などを披露した。

 岡田選手は1日まで唐津市の佐賀県ヨットハーバーで開かれた国スポの成年男子470級に早稲田大学の後輩、田中丸武選手(23)と組み佐賀県代表で出場、6レースのうち4レースで1位となり貫禄勝ちした。早稲田佐賀高ではテニス部で早大からヨットを始めた田中丸選手は「感じたことのない速さだった」と技術の高さに感心していた。

 福岡県出身の岡田選手は、当時、佐賀県ヨットハーバーで指導していたアトランタ五輪(1996年)銀メダリストの重由美子さん(故人)に教わりたいと、唐津西高へ進学。指導は「厳しかった」と振り返り、一人暮らしも経験しながら唐津の海で基本練習を繰り返した。

 その地道な努力が世界への扉を開いた。今夏の五輪では吉岡美帆選手(34)との混合470級で、五輪同競技で日本勢20年ぶりのメダルをつかんだ。

 岡田選手は東京五輪に続く連続出場だったが、470級はパリ五輪から男女混合になった。母校の講演で「一番苦労したのは相手とのコミュニケーション」と銀メダルを振り返り、「高校でも相手の顔色をうかがうだけでなく、言いたいことはしっかり言うことも学んでほしい」と人とのつながりの大切さなどを語りかけた。あと2大会は五輪に挑戦する意向で、「もう一段上に行きたいですね」と話して、日本セーリング界の悲願、五輪の金メダルをめざす。(森田博志)