<大相撲九州場所>◇11日目◇19日◇福岡国際センター独走ムードが一転、混戦にのみ込まれた。横綱大の里(25=二所ノ関)…

<大相撲九州場所>◇11日目◇19日◇福岡国際センター

独走ムードが一転、混戦にのみ込まれた。

横綱大の里(25=二所ノ関)が、横綱3場所目で初の連敗を喫した。負け越しが決まっていた小結隆の勝に引き落とされて9勝2敗。立ち合いで相手のぶちかましを受け止め、のど輪で上体をのけぞらせた。それでも圧力をかけて前進する、いつもの規格外相撲を発揮しようとした矢先、足を滑らせたように右膝をガクッと曲げ、踏ん張りきれずに前のめりに倒れた。横綱豊昇龍、関脇安青錦と並び、前頭義ノ富士、時疾風、錦富士の3敗勢に1差と迫られた。

土俵が滑りやすい傾向にある、九州場所の洗礼を受けた格好だ。それでも言い訳せず「下半身が伸びきってしまった。しっかりと左を使って(おっつけて)いたつもりだけど、攻めていけなかった」と、冷静に振り返った。「残り4日間、しっかりやっていくことが大切」と、言い聞かせた。

前日10日目は、初顔合わせの前頭義ノ富士に金星を配給した。相手に攻め込まれると引いてしまう悪癖が出た。対戦を残す関脇安青錦、さらには過去2勝7敗(不戦勝除く)と天敵の横綱豊昇龍と並んだ。今場所は幕内で3度目のストレート勝ち越しを決めた。過去2度はいずれも優勝。優勝確率100%の神話が、揺らぎ始めた。【高田文太】