マキロイは1Wロフト角を微調整オーガスタナショナルでは日曜日に歴史が作られた。ロリー・マキロイ(北アイルランド)が生涯グランドスラムを達成し、ゴルフ界における究極の高みに達したのだ。偉業達成にはシーズン序盤のボール変更が一役買ったこともあ…
マキロイは1Wロフト角を微調整

オーガスタナショナルでは日曜日に歴史が作られた。ロリー・マキロイ(北アイルランド)が生涯グランドスラムを達成し、ゴルフ界における究極の高みに達したのだ。偉業達成にはシーズン序盤のボール変更が一役買ったこともあるが、2週前「テキサスチルドレンズ ヒューストンオープン」でのドライバー微調整も大きかった。テーラーメイドQi10ドライバーのロフトを減らして求めるスピン量を得たのだ。
マキロイはメモリアルパークでの最終ラウンド後「特にティショットでカットを打ちたいときに少しスピン量が多すぎると感じていたので、少しロフトを減らした。間違いなく、今日は風に対しての飛び方が良かったし、少し楽に感じられた」と話していた。オーガスタではストロークゲインド・オフ・ザ・ティでフィールドに対して0.5打しか稼げなかったが、72ホール目とプレーオフのティショットで、フェードを打つスイングに頼ることができたのである。
テーラーメイドで上級ツアーマネジャーと務めるエイドリアン・リートベルド氏は「これほどスピードをコントロールできているロリーは見たことがありませんでした。ドライバーのセッティングが寄与しているのでしょう。少しロフトを減らし、少しスピン量を抑えられたんだと思います」と語る。Qi10フェースの高慣性モーメントと、マキロイのドライバーの重心位置が低くヘッドの後ろ寄りにあるという事実から、リートベルド氏は寛容性、精度、飛距離を犠牲にせず、ボールの曲がり幅を小さくできたと確信している。
ローズはギア3点を変更

マキロイとプレーオフを戦ったジャスティン・ローズ(イングランド)もまた、オーガスタナショナルに備えていた。用具契約がフリーのため、長期使用のテーラーメイドM6の3番ウッドから特注の三浦技研 MC-502アイアンまで、複数メーカーのギアでバッグを埋めているが、今回は3点の変更を行った。
1つはマキロイ同様にスピン量が少なめのボールへ。タイトリストのプロV1x+プロトタイプから2025年モデルのプロV1xに変更した。タイトリストでツアーコミュニケーションを統括するエリック・ソダーストロム氏は「彼は25年モデルのプロV1xの方が全ての番手でスピン量が適正になることに気付き、コースで飛距離のコントロールが向上し、風に対するパフォーマンスも良いことを実感したんです」という。実際、ローズは予選2日間、強風のコースでアンダーパーのラウンドを並べて首位に立った。
また、ターフの抜けと異なるバンカーの砂に対応すべく、60度のタイトリスト ボーケイ ウェッジワークスLグラインドから、カスタムのクリーブランド RTZ ロブウェッジに替えた。スリクソンでツアーオペレーションを統括するマイケル・ジョリー氏は「これは彼が長年使用していた古いクリーブランド 588のワイドソールがベース。彼はこのバウンスが好きで、好んでバンカーで使っています」と語る。
最後はドライバー。今季はタイトリスト GT2とテーラーメイドの最新作Qi35 LSを使用してきたが、古いタイトリストTSR3に戻した。フィールド最多の24バーディを奪ったローズは、データゴルフによると、最終ラウンドのストロークゲインド・ティ・トゥ・グリーン(4.59)でトップに立ち、週全体でもラウンドあたり2.35で4位にランクインした。
ヘッドカバーだらけのカプルス

1992年の「マスターズ」王者で大会最年長予選通過記録も持つフレッド・カプルスは今年も、65歳にして、しかも昨年に負傷しているにもかかわらず予選通過にあと2打のプレーを見せた。カプルスは自分のバッグに「ヘッドカバーがたくさんあるんだ」と冗談めかして語る。
常に楽々クラブを振っているように見えても、スピードが落ちたため、硬くて速いオーガスタのグリーンに対応すべく、高弾道を求めてロングアイアンを見限り、ハイロフトのフェアウェイウッドとハイブリッドの組み合わせに切り替えた。初日の14番はまさに狙い通りの結果を生んだ。残り186yd、6UTの2打目は完璧で、ボールはピン前約6mに落ちて、カップに消えるイーグルとなった。
カプルスは第1ラウンド後、おどけながら次のように話した。「ただブラブラしてきただけさ。ウッドで良いショットをたくさん打った」とおどけ「もう40年言い続けているけど、このコースが大好き。正直、去年(通算12オーバーで予選落ち)は全然体調が良くなくて、バッグに適正なクラブが入っていたら、もう少し良いスコアが出せたと思う。今は、ここでも打てると思えるクラブのセットにしている。明日はまた違いかもしれない。違うショットになるかもしれない。でも楽しかったよ。とても楽しい1日だった」
カプルスは1、3、5番ウッド、3、4、5、6番ハイブリッドとそろえ、アイアンは7、8、9番の3本だけ。あとはウェッジ3本とベティナルディSS28 DASSツアーデパートメントパターをバッグに入れている。
シャウフェレはドライバーを戻す

ザンダー・シャウフェレは今季、スロースタートとなっている。2024年はストロークゲインド・オフ・ザ・ティでトップ10入りしたが、現在は164位。負傷によるシーズン序盤の準備不足からキャロウェイの最新ドライバーを十分に活用できていないと感じ、昨季「全米プロゴルフ選手権」と「全英オープン」を制した際に使ったクラブに戻した。
シャウフェレは大会前に「けが明けだったので、腰を据えて新しいドライバーのテストを行い、しかるべきヘッドを見つけるのは難しかったので、すぐ古いやつに戻した。これでどれだけ成功を収めたかはよく知っているからね」と話していた。ロフト角9.5度のキャロウェイ エリート ◆◆◆から、45.5インチの三菱ケミカル ディアマナPD(70TXシャフト)を装着し、ロフト角を10.1度にセットしたパラダイムAiスモーク ◆◆◆(10.5度)のドライバーに戻した。
このスイッチは成功した。オーガスタナショナルではフェアウェイキープ率75%、ドライビングディスタンスは304yd、ストロークゲインド・オフ・ザ・ティは10位で今季初のトップ10入りとなった。
(協力/GolfWRX、PGATOUR.com)