「レスリング・ジュニア・クイーンズカップ」(13日、東京武道館) U23世界選手権代表選考を兼ねて行われ、パリ五輪53キロ級金メダルの藤波朱理(21)=日体大=が57キロ級に上げて初戦に臨み、計2試合を圧勝して優勝した。決勝は山下叶夢(東…

 「レスリング・ジュニア・クイーンズカップ」(13日、東京武道館)

 U23世界選手権代表選考を兼ねて行われ、パリ五輪53キロ級金メダルの藤波朱理(21)=日体大=が57キロ級に上げて初戦に臨み、計2試合を圧勝して優勝した。決勝は山下叶夢(東洋大)に10-0でテクニカルスペリオリティー勝ちしたが、相手セコンドには東洋大出身でパリ五輪女子76キロ級金メダルの鏡優翔(23)=サントリー=が入ったものの、藤波の強さに脱帽した。

 鏡は仲がいい盟友でもある藤波と相手セコンドとして初めて“対戦”したが、1ポイントも奪えないまま第1ピリオドで完敗。試合後はマナーとして藤波と握手する際、照れくさそうに苦笑いも浮かべ、「メディアがいっぱい来ていたので、(敵陣として)ニコニコしていたらダメかなと思って。(節度を持ちながらの)おめでとうという意味も含めてだった」と明かした。

 目の前で連勝記録を141に伸ばした藤波と初めて試合で対峙し、「(普段は)友達であろうが(今回は)反対側で見てるので、私は敵として(藤波に対して)いろんな分析をしながら見ていたが、相手の弱点を見抜いて、そこを突く能力が高い」と振り返り、「手ごわいなんてもんじゃない。(こちらの)攻める間も与えずに朱理のペースに持っていくので、さすがだな」と改めて脱帽した。

 自身は日本女子最重量級で初となる金メダルを手にした昨夏のパリ五輪以降マットから離れているが、12月の全日本選手権に照準を合わせて実戦復帰する意向を明かした。現役引退に心が傾いた時期もあったというものの、あらためて自身の中のレスリング愛を再確認したといい、「休んでいるうちに(もう一度)頑張ってみようかなと思えた」と再起を期した。