ダラス・マーベリックスは今シーズン、ルカ・ドンチッチをトレードでロサンゼルス・レイカーズに放出した。対価として獲得したアンソ…

 ダラス・マーベリックスは今シーズン、ルカ・ドンチッチをトレードでロサンゼルス・レイカーズに放出した。対価として獲得したアンソニー・デイビスは加入後すぐに負傷離脱し、更に昨シーズンのファイナル進出に貢献したカイリー・アービングやダニエル・ギャフォード、デレック・ライブリー2世のケガが重なり、不振にあえいだマブスはポストシーズン出場を逃した。

 シーズン中にトレードに対する成果を示せなかった上に、チームの象徴だったドンチッチを手放すという荒技はファンの反発を買い、その波は未だに収まっていない。4月10日(現地時間9日)に行われたマブスとレイカーズの試合では、マブスのファンがレイカーズのドンチッチのユニフォームを着る姿が散見され、会場内外では「FIRE NICO(ニコ・ハリソンGMを解雇しろ)」と書かれたプラカードが掲げられていた。

 現地メディア『ESPN』によれば、トレード以降マブスはシーズンチケットの払い戻しやグッズの売上減、スポンサー契約の解消に追われており、今後数年間で1億ドル以上の収益減を見込むことになったという。ドンチッチの放出により既にファンの愛情や収益を失いはじめているマブスだが、かつてのチームの象徴であるレジェンドOBの信頼にも傷をつけてしまったようだ。

 現地メディア『The Stein Line』は、ダーク・ノビツキーが、現在マブスと“距離を置いている”と報じた。この報道に続けて、『ESPN』のティム・マクマホン記者も「ノビツキーはマブスに対して完全に興味をなくしている」とコメントしている。

 現在マブスのスペシャルアドバイザーの職についているノビツキーだが、球団施設内にあるノビツキーのオフィスがほとんど使われていない状態とのこと。両メディアによれば、昨シーズン開幕前に長年トレーナーを務めていたケイシー・スミス氏を降格させたことがきっかけでノビツキーのマブスに対する不信感が高まり、ドンチッチの放出が追い打ちになった模様。

 ドイツ出身のノビツキーは、1998年のNBA入りから2019年の引退までマブス一筋で過ごし、2011年にはチームをリーグ制覇に導いたマブスの英雄である。現役時代にチームメートとしても過ごし、同じヨーロッパ出身選手として“弟分”であるドンチッチの放出は、ノビツキーにとっても他人事で済まなかったのだろう。

 トレードの代償が大きく出ているマブスだが、来シーズンの戦績に加えこれから組織をどのように立て直すかという点にも注目が集まる。