<仙台六大学野球春季リーグ戦:東北福祉大8-1東北工業大(7回コールド)>13日◇第1節◇東北福祉大野球場 東北福祉大が今春初のコールド勝利で開幕連勝スタート。打線は9安打8得点と機能し、投げては先発の猪俣 駿太投手(3年=明秀日立)が再三…

<仙台六大学野球春季リーグ戦:東北福祉大8-1東北工業大(7回コールド)>13日◇第1節◇東北福祉大野球場

 東北福祉大が今春初のコールド勝利で開幕連勝スタート。打線は9安打8得点と機能し、投げては先発の猪俣 駿太投手(3年=明秀日立)が再三走者を出しながらも6回1失点と粘投した。

 勝利をたぐり寄せたのは1番・金井 翔陽外野手(3年=東北)のバットだった。追いつかれた直後の二回、1死満塁の好機で打席へ。フルカウントから狙っていた直球を捉えると、打球はぐんぐん伸び左中間を破った。

 塁上で拳を突き上げた金井は「引っ張るのではなく内からバットを出すイメージでセンター方向を狙っていました。満塁の場面で理想的なバッティングができてめちゃくちゃ嬉しかったです」と笑顔。走者一掃の3点適時三塁打はこの試合の殊勲打となった。

 「1番・左翼」に座って走攻守で躍動する姿は、2学年上の先輩・西村 彰浩外野手(現・トヨタ自動車)を彷彿とさせる。同じ左打ちの外野手とあって金井本人も西村のプレースタイルを理想に掲げており、「ピンチの場面でも焦らず冷静に守るし、打撃面でも1番打者として何本もヒットを打っていた」とリスペクトを口にする。

 今春はその西村から「頼むぞ」という言葉とともに授かったリストバンドを着用して試合に臨んでいる。この日は決勝打を放っただけでなく、初回に左前打で出塁して先制を呼び込み、四回の守備では本塁への好返球で犠飛を防ぐなど先輩顔負けのプレーを披露。金井は「自分も絶対に塁に出てやろうという気持ちで打席に立っている。守備では自分に打球が飛んでくるイメージを練習からしています」と胸を張る。

 開幕前はキャンプ中に調子を落とし一時Aチームを外れるも、「Bチームの方が打席を多くもらえる」と前向きに捉えて打撃練習に励み、「みちのくネクストリーグ」などで結果を残して再びチャンスを掴んだ。

「欲を出さずにつなぐイメージで、このまま1番で出続けたい」と金井。勝負の3年目、尊敬する先輩の後の「1番・左翼」を定位置にしてみせる。