◆B3リーグ・第29節 香川94―61金沢(12日、いしかわ総合スポーツセンター) 15位の金沢武士団は、61ー94で3位の香川ファイブアローズに大敗し、7連敗を喫した。敗れはしたが、2014年のチーム設立以来、最多の3502人の観客が来場…
◆B3リーグ・第29節 香川94―61金沢(12日、いしかわ総合スポーツセンター)
15位の金沢武士団は、61ー94で3位の香川ファイブアローズに大敗し、7連敗を喫した。敗れはしたが、2014年のチーム設立以来、最多の3502人の観客が来場。13日の今季最終戦で1069人の観客が来場すれば、2026年から開幕するBリーグONE仮入会の参入条件の一つである平均入場者数1500人以上を達成する。チームの主力選手として奮闘するSG市橋歩(26)は「BリーグONE入りを目指し、フロントスタッフやスポンサーの方が動いているのを感じている。石川県にトップリーグがあることを示すため、絶対に入らないといけないカテゴリーだと思います」と率直な気持ちを語った。
大声援を受けながら気迫のプレーを見せたが、Cヴャチェスラフ・ペトロフ(30)が故障で不出場、Cケビン・コッツァー(35)も故障で出場時間はわずか11分。前半は気持ちのこもったディフェンスも見せたが、インサイドの大黒柱を欠き、後半は攻守で失速してしまった。松藤貴秋HCは「ほとんどのポジションで相手の方が大きい中、平面的なバスケを準備してきた。スイッチディフェンスはある程度、通用したが、スイッチしたあとに3点シュートを簡単に打たれたり、1対1で負けて失点がかさんでしまった」と厳しい表情で振り返った。
けが人続出で厳しい状況が続く中、BリーグONEに参入するため、多くの県民が来場した。スポンサー企業に動員を呼びかけたほか、県バスケットボール協会や各自治体も協力。SNSも駆使して情報を拡散し、平均入場者数の達成も見えてきた。そのほかの参入条件として「売上高は下限2・5億円」「債務超過の解消」「フロントスタッフ13人以上」などがあるが、球団側ではクリアできる見込みだという。3000席を備えるホームアリーナも県内で交渉中だが、最終戦の盛り上がり次第では、大きな後押しになるはずだ。
「多くの観客の前でプレーできるのは選手にとって幸せなこと。すごく勇気をもらったし、勝利して一緒に喜び合いたい」と松藤HC。新リーグへ弾みをつけるためにも、今季最終戦で有終の美を飾る。(中田 康博)