2011年に当時高校生で全日本初制覇を果たすと、14年から16年には3連覇を達成した石川佳純(全農)。昨年は決勝まで進出したものの、早田ひなの勢いに押され惜しくも準優勝に終わり、5度目の全日本制覇とはならなかった。悔しい幕開けとなった202…

2011年に当時高校生で全日本初制覇を果たすと、14年から16年には3連覇を達成した石川佳純(全農)。昨年は決勝まで進出したものの、早田ひなの勢いに押され惜しくも準優勝に終わり、5度目の全日本制覇とはならなかった。

悔しい幕開けとなった2020年だったが、パンデミックにより大会は中断。中断明けの初戦となった女子W杯ではベスト8の成績を残した。その後参戦したTリーグでは12月までの試合を終えて7勝1敗と、強さは健在だ。

五輪イヤーの幕開けとなる全日本で、5年ぶり5度目の頂点を目指す石川の、優勝への山場を見ていこう。

初戦から実力者との対戦か




写真:山本怜(十六銀行)/撮影:ラリーズ編集部

スーパーシードの石川にとっては4回戦が初戦となるが、石川の下には鈴木李茄(昭和電工マテリアルズ)や山本怜(十六銀行)など実績豊富な実業団選手が控える。1回戦から勝ち上がり調子を上げてきた選手との対戦ということもあり、石川としては足元をすくわれないように注意したいところだ。




写真:鈴木李茄(昭和電工マテリアルズ)/撮影:ラリーズ編集部

初戦を突破すると5回戦では森薗美月(琉球アスティーダ)の山、6回戦では前田美優(日本生命)の山の勝者と対戦する。前回準優勝の石川にとっても、上位進出は決して容易な道ではない。




写真:Tリーグでは赤江夏星と組むダブルスで活躍する前田美優(写真左・日本生命レッドエルフ)/撮影:ラリーズ編集部

石川が準々決勝まで勝ち上がった場合、その対戦相手は異質型の出澤杏佳(大成女子高)やカットマンの小塩遥菜らのブロックを勝ち抜いた選手となる。同じブロックには中ペンの宋恵佳(中国電力)もスーパーシードとして控えるなど、多様な戦型がそろうブロックだ。




写真:全日本選手権でプレーする出澤杏佳/撮影:ラリーズ編集部

特に出澤は高校生ながらも前回は16強。5回戦では平野美宇(日本生命)を破り、堂々の上位進出を果たしている。出澤は対戦相手にとってはやりにくいプレースタイルであり、今回も十分波乱を起こし得る存在だ。

準決勝 平野、木原、橋本らが待ち受ける

石川が勝ち上がった場合、準決勝では4年ぶりの頂点を狙う平野美宇(日本生命)、19年準優勝の木原美悠(JOCエリートアカデミー/星槎)、世界選手権複3位のカットマン橋本帆乃香らの山を勝ち抜いた選手との対戦となる。




写真:平野美宇(日本生命)/撮影:ラリーズ編集部

特に平野美宇は19年末まで五輪シングルス代表の1枠を競い合ったライバルだ。五輪レースの最終戦となった19年北米OPでの直接対決では石川が勝ち、代表権を手にした。それから1年以上経過した全日本で同カードの再現となれば熱戦必至だろう。




写真:木原美悠/撮影:ラリーズ編集部

また、16歳の木原美悠は、12月のTリーグでは五輪メダリストの馮天薇(フォンティエンウェイ)を下すなど、伸び盛りの若手だ。Tリーグでは石川と同じく木下所属であり、石川との対戦が実現すれば、手の内を知る相手だけに好ゲームが期待できる。

初優勝から10年 若手の挑戦を退けて5年ぶりの頂点へ




写真:石川佳純(全農)/撮影:ラリーズ編集部

石川が11年に全日本を初優勝してから10年が経ち、いまや27歳。若返りが顕著な日本の女子卓球においては、ベテランの域に達してきた。近年は年下の選手の勢いに負けて優勝から遠ざかっているが、今年は夏に五輪が控えるだけに、全日本を制覇して新年をスタートさせたいところだ。

先日「爽やかなアスリートランキング」で5位に選ばれた石川。今回の全日本で5年ぶり5度目の優勝を果たし、その爽やかな笑顔が輝くか、注目だ。

文:ラリーズ編集部