物議を呼ぶマロニー弟の世界戦、米専門メディア「無効試合は十分正当なもの」 ボクシングで物議を呼んだ判定に続報だ。14日(日本時間15日)に前WBA世界スーパーフライ級正規王者アンドリュー・マロニー(オーストラリア)が王者ジョシュア・フランコ…

物議を呼ぶマロニー弟の世界戦、米専門メディア「無効試合は十分正当なもの」

 ボクシングで物議を呼んだ判定に続報だ。14日(日本時間15日)に前WBA世界スーパーフライ級正規王者アンドリュー・マロニー(オーストラリア)が王者ジョシュア・フランコ(米国)に挑戦し、相手の負傷により無効試合に。試合後は当事者たちや海外識者、ファンなどから有効打という意見が多数上がっていたが、米メディアは17日(同18日)に頭が接触したと思われる画像付きで「レフェリーが間違いなく正しかった」と報じている。

 井上尚弥(大橋)に敗れたジェイソンの双子の弟アンドリューにまさかの続報だ。初回、フランコが右目付近を負傷。ラウンド途中から顔が腫れあがった。アンドリューが手数を増やす中、3回途中にドクターチェックで2度目の中断となり、フランコの視野を確認した末に続行できないと判断されて試合終了となった。

 偶然のバッティングなら決着がつかず、有効打ならアンドリューの勝利。20分を超えるビデオ判定が行われたが、どの瞬間からフランコの顔が腫れ始めたかわからないようで、マロニーの肩や頭が接近したシーンが何度も確認された。結局は偶然のバッティングで無効試合に。試合後、アンドリューは涙をためながら左ジャブによる有効打を訴え、海外識者やメディアからも間違いを指摘する声が多く上がった。

 しかし、米専門メディア「ボクシングシーン.com」は、頭が接触したと思われる画像とともに「NSACトップ:さらなる検証、ラッセル・モラレフェリーは間違いなく正しかった」の見出しで記事を掲載。「NSACに関して言えば、無効試合は十分正当なものだ」と試合を管轄したネバダ州アスレチックコミッション(NSAC)に取材した内容を報じている。

 4回終了前の偶然のバッティングによる負傷で試合続行不可能となれば、無効試合になるのがルール。記事によると、同コミッションのエグゼクティブディレクターであるボブ・ベネット氏は、同メディアに対し「知っての通り、統一王座戦のルールにおいてレフェリーは唯一の判定者なのだ」とメールで回答し、こう説明したという。

「NSACのプロボクシングにおけるインスタントリプレー検証では、第3章の最後のパラグラフにおいて、イエローランプはレビュー担当者によるレビューが行われていることを意味する。そして決定的な証拠によってレビュー担当者はレフェリーが下した判断を訂正することになっている」

決定的な証拠はあったのか…

 試合を裁くレフェリーが無効試合と判断しても、レビュー担当者が判定を覆すに値する決定的な証拠を映像で確認すれば、判定が変わることを強調。しかし、ベネット氏に取材した記事では「この試合においては、レフェリーの判定を覆すような決定的な証拠は得られなかった」とつづった。アンドリューの左ジャブは「決定的な証拠」にはならず、フランコの顔が腫れたとは言い切れなかったようだ。

 頭や肩が接触したのではないかと思われるシーンもあったようで、記事ではアンドリューの頭部がフランコの顔面に接触したような瞬間を公開。動画ではなく、わかりづらいため、このシーンの影響で腫れ始めたかどうかは断定できないかもしれないが、記事では「実際、スクリーンショット(メディアから提供されたもの)によれば、レフェリーが間違いなく正しかった」と主張している。

 アンドリュー陣営は、正式な手続きを踏んで判定に抗議する意向を示している。判定が覆った場合、マロニーの勝利で王座奪還。覆らなければフランコの王座保持となる。(THE ANSWER編集部)