◆プロボクシング ▽WBA、WBC、IBF、WBO世界スーパーバンタム級(55・3キロ以下)タイトルマッチ12回戦 〇王者・井上尚弥 (6回TKO) ルイス・ネリ●▽WBO世界バンタム級(53・5キロ以下)タイトルマッチ12回戦 〇武居由樹…

◆プロボクシング ▽WBA、WBC、IBF、WBO世界スーパーバンタム級(55・3キロ以下)タイトルマッチ12回戦 〇王者・井上尚弥 (6回TKO) ルイス・ネリ●▽WBO世界バンタム級(53・5キロ以下)タイトルマッチ12回戦 〇武居由樹 (判定) 王者ジェーソン・モロニー●▽WBA世界同級タイトルマッチ12回戦 〇王者・井上拓真 (判定) 石田匠●(5月6日、東京ドーム)

 スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)が元世界2階級制覇王者ルイス・ネリ(メキシコ)戦に6回TKO勝ちしてから一夜明けた7日、横浜市の大橋ジムで喜びの記者会見を行った。

 WBC、WBO王座は2度目、WBA、IBF王座は初防衛に成功した尚弥は、石田匠(井岡)に判定勝ちしてWBA世界バンタム級王座の2度目防衛に成功した弟の拓真、WBO世界同級王者ジェーソン・モロニー(オーストラリア)に判定勝ちして日本人ボクサー100人目の世界王者となった武居由樹のジムメートと並んで、改めて勝利を報告。34年ぶりの東京ドーム興行をプロモートし、ジムから5人目の世界王者を誕生させた大橋ジムの大橋秀行会長、井上兄弟を指導する父の真吾トレーナー、キックボクシング転向から指導してきた元世界3階級制覇王者の八重樫東トレーナーらも笑顔を見せた。

 尚弥は「無事にドーム決戦を終了して、一夜明けましたが、映像を見直しました。1ラウンド目のダウンを含め、6ラウンドしっかり見たが、内容的には満足のいく、すごく良い試合だった。陣営はヒヤヒヤしたが、昨日来て頂いた4万3000人すべての人が満足して帰ってもらえたのではないか。歴史に残る、いい日になりました」と振り返った。初回に左フックで初ダウンを喫したが、「一つ誤算があったのは角度調整のミスだった」という。それでも「その後はすごく冷静で。インターバルでモニターを見て、どのパンチをもらったとかしっかり見て自分にインプットした。あのダウンで本来の自分がしっかり出せた」という。

 2試合前に判定勝ちした拓真も初回に左ジャブでダウンを喫したが、「バンデージを巻きながら、何やっているんだよと思いながら見ていた」という。父の真吾トレーナーは兄弟がそろって初回ダウンを挽回して勝利をつかんだものの「俺なんか、もっと大変だよ」と苦笑いしていた。

 今後については9月にも関東圏でIBF、WBO同級1位のサム・グッドマン(オーストラリア)との試合を交渉予定。さらに年末にもう1試合を予定しているが、開催地には英国、サウジアラビアなども候補に挙がっており、国内外での試合が検討されるという。

 この日、試合を配信したPRIME VIDEOは、尚弥がネリをKOしたシーンが、昨年の野球WBC決勝戦を超える、史上最大のピーク視聴数になったことを発表した。大橋会長は「井上尚弥とドネア戦(22年6月)の数字をWBCが上回ったが、これは抜けないと思っていた。ボクシングの爆発力はすごい。これからまた、注目される」と話した。尚弥は「大橋ジム設立30年の年に、ドームで試合ができて、ジムとして、井上尚弥として、今後のキャリアを加速させることができた。まだまだ熱い試合をしたい」と意欲を口にした。