6日に東京ドームで行われたボクシングの4団体統一世界スーパーバンタム級タイトルマッチで、ルイス・ネリ(メキシコ)の挑戦を6回TKOで退けて初防衛に成功した王者の井上尚弥(大橋)が7日、横浜市内で行われた一夜明け会見に出席した。 井上は「満…

 6日に東京ドームで行われたボクシングの4団体統一世界スーパーバンタム級タイトルマッチで、ルイス・ネリ(メキシコ)の挑戦を6回TKOで退けて初防衛に成功した王者の井上尚弥(大橋)が7日、横浜市内で行われた一夜明け会見に出席した。

 井上は「満足のいく内容というか、すごいいい試合だったな」とネリ戦の感想を述べた。1回にプロ初のダウンを奪われてからの劇的な逆転勝ち。「昨日来ていただいた4万人のお客さん全ての方が満足して帰っていただいたと思うので、昨日は本当に自分自身、歴史に残るいい日になったと思います」と自負した。

 ネリについては「全て想定内。一つ挙げるとすれば、もっとパワーがあるのかな、でしたね。一番手ごわいとは言えないのかなと。戦う前からスキがすごく多いなと言う印象があったので、その通りのイメージでしたね」と総括。

 1回のダウンを「本当に自分の死角から入ってきたパンチで、一つ誤算があるとしたら角度調整のミスだけですかね。自分も左アッパーから右スイング打ちに行ってるから、そのまま空転させられた感じ」、6回のフィニッシュを「手応えはありましたよ。アッパーからの、ストレートと右フックの中間というか、一番力が乗る角度というか。ネリの位置に合わせて打ってるので」と解説した。

 また、WBA世界バンタム級王座を防衛した弟の井上拓真(大橋)ともども、1回にダウンを奪われてから逆転勝ちしたことには「なかなかないですよね」と笑い、拓真のダウンを「ビックリしました。何やってんだよ?ってバンデージ巻きながら思ってましたから」と振り返った。自身のダウンシーンはネット上で数多く流されており、「やめてほしいですね。X開くたんびにそのシーンがめっちゃ流れてくるから、勘弁してくれって。ダウンの仕方もちょっとダサいし」と苦笑いだ。

 兄弟のトレーナーを務める父の井上真吾氏は「俺なんかもう大変だよ!ウソでしょ?みたいなさあ、もうビックリよ!」とツッコみ、拓真は「尚の初ダウン、心臓止まるんじゃないかぐらい自分も焦っちゃいましたね。だからもうお兄ちゃんのダウンは見たくないですね」と打ち明けた。

 2019年に初めて兄弟が世界戦でそろい踏みした際は、尚弥は勝ったが拓真は敗れた。

 今回、兄弟で防衛できたことに、尚弥は「本当に井上家としてのいい日になったなと思います」、拓真は「結果的にいいバトン渡せたんで。しっかり尚もいい結果で勝ってくれたんで、最高の結果ですね」と喜び、真吾氏は「そこ(1回のダウン)から取り返して勝利に持っていけるってすごいことだと思うんで、本当に大したもんだな、本当に良かったなっていう思いですね」と息子たちをたたえた。

 尚弥は締めで「大橋ボクシングジム30周年の年にこの東京ドームでの試合ができたのは、大橋ジムとしても井上尚弥としても、これが集大成ではなくて、今後のキャリアを加速させる一戦だと思ってるので、まだまだここから熱い試合を繰り広げていきたいと思ってますので、今後も期待していただけたらうれしいと思います」とあいさつ。さらなる高みを目指す姿勢を示していた。