関東大学1部TOP8は11月14日、15日にブロック最終節が行われ、Aブロックは日本大が3戦全勝で1位、Bブロックは14日に立教大に勝利した桜美林大と、15日に早稲田大に勝利した明治大学が2勝1敗で同率ながら、直接対決の結果で桜美林大学が1…

関東大学1部TOP8は11月14日、15日にブロック最終節が行われ、Aブロックは日本大が3戦全勝で1位、Bブロックは14日に立教大に勝利した桜美林大と、15日に早稲田大に勝利した明治大学が2勝1敗で同率ながら、直接対決の結果で桜美林大学が1位となった。両校はいずれも今季BIG8から昇格したばかり。11月29日に甲子園ボウル関東代表校の座を懸けて対戦する。

11月14日、東京大と対戦した日本大は、QB林大希(4年)が率いた8シリーズ中5シリーズを得点につなげて、ボールコントロールと粘り強い守備で対抗しようとした東京大を一蹴した。

「攻撃は得点して勝ちパターンになった時に気が緩んでしまっていたのが一番の反省点」

QB林(大)は詰めきれていない部分が出てしまったと攻撃の出来を反省した。

熾烈を極めたのは、同日行われたBブロックの桜美林大と立教大の一戦だった。

桜美林大は最初の攻撃機会にK神杉晃汰(4年)が28ヤードFGを決めて先制。しかし、立教大も直後の攻撃ドライブをK中山龍之介(2年)の49ヤードFGにつなげて同点に。以降、第3Qまで両チーム共に無得点のまま第4Q終盤にもつれ込んだ。

拮抗を破ったのは桜美林大QB水越直(1年)だった。残り1分24秒、敵陣23ヤードまで攻め込んだチャンスにパスを試みた際、目の前に走路が開けたのを見つけると急発進。そのままエンドゾーンまで駆け抜けた。TFPのキックは立教大にブロックされて失敗し9対3。その後、立教大にゴール前10ヤードまで迫られたが、最後のパスを桜美林大LB亀田典幸(3年)がカットしてしのいだ。

秋季公式戦における対立教大戦初勝利をもたらした桜美林大QB水越だが、決勝TDの前の2シリーズは連続してインターセプトを喫していた。それでも折れずに挑み続けることができたのは、今季は水越の支えに徹している副将QB野地健太(4年)の存在があったからだろう。

昨年まで1学年上のQBとタンデム起用で攻撃を率いてきた野地だが、今季は水越が先発QBに抜擢された。

「客観的に見て水越で戦った方が勝てる可能性が高まると自分も思いました。将来のことを考えてもその方がいい。僕にできることは他にもあります」

野地はコーチ陣から方針を聞かされた時の心境をそう振り返った。

下級生の頃から「自分が他のQBと勝負するためには、フットボールの知識や周囲を生かすことを考えなければならない」と、自分の能力を客観的にとらえて、QBだけでなく他のポジションのことも含めてフットボールの知識を増やすことに取り組んできた。その研究熱心さはチームの誰もが認めるところであり、野地が副将として信頼を集めている所以でもある。

「水越はまだ1年生なのでやはりサポートは必要。それに攻撃全体をまとめること、ポジション間のコミュニケーションの架け橋的なことは僕の役割です」と、野地はいう。

決勝TDを挙げたシリーズ野地は水越にこんな言葉をかけてフィールドに送り出した。

「多少のミスは想定済。いつも通り、順番にできることをやってきな」

「野地さんや他の4年生の思い、皆の思いを壊してはいけないと思ってプレーしています。任されている以上、やらなきゃいけないと思っています」。

水越にも野地の思いは伝わっている。

チームが勝利するために後輩に託した野地と、先輩の思いを背負う覚悟をしている水越。二人は二人三脚で昨年、BIG8の最終戦で苦杯を喫した日本大への雪辱、そしてチームの最大の目標である甲子園ボウル出場権獲得に挑む。

日本大対桜美林大戦の見どころ、そしてリーグ終盤戦の詳細は11月28日配信のハドルマガジン12月号に掲載します。ご購読はコチラ