文=丸山素行 写真=B.LEAGUE

「芯を持ってプレーすることが大事」

「もうここに来て3シーズン目ですし、チームのモーターとしてもっとギアを上げていくように心がけた後半戦2試合でした」

そう語るのは、週末の富山グラウジーズ戦に連勝し、東地区首位に躍り出たアルバルク東京の安藤誓哉だ。

安藤は富山との初戦で21得点を挙げ、第2戦でも13得点を記録した。両試合とも富山に終盤まで粘られたが、安藤は初戦で3ポイントシュートファウルを誘発してフリースローをすべて沈め、第2戦でもファウルを受けながら3ポイントシュートを沈めて4点プレーを成功させるなど、数字もさることながら、試合を決定づけるプレーが印象的だった。

初戦では最大で17点、第2戦では同じく15点のリードを奪った時間帯もあったが、終盤に1ポゼッション差まで迫られた展開となり、安藤は「正直、離せるところで離したかった」と試合を振り返る。

流れの悪い時間帯はどんなチームにも訪れる。そこで耐えられるチームが本当に強いチームだ。A東京は2試合とも逆転を許さず、突き放す強さを見せた。安藤も「最後にああいう戦い方ができるのが自分たちの強さだと思う。自分たちのディフェンスをどれだけ遂行できるか、芯を持ってプレーすることが大事」と話し、あらためてチームの強さを強調した。

「終盤に落ちていったらプレーヤーとしてアウト」

安藤はここまで、チーム内で日本人トップとなる平均11.8得点を挙げ、勝利に大きく貢献している。昨シーズンに比べ3ポイントシュートの成功率は下がったが、主要スタッツは軒並み微増している。それとともに見逃せないのはショットクロックわずかな場面や勝負どころでボールを託されるシーンが増えたことだ。

安藤も「今シーズンが始まる時から自分が引っ張っていかなきゃいけないという気持ちでずっとやってきている」と、自身がリーダーシップを執ることを念頭に置いてプレーしているという。

また「少し調子を落とした月もある」と言うも、「シーズン終盤に落ちていったらプレーヤーとしてアウトだと思うので、一つひとつ優勝するためにどうしていくかを考えながらやっている感じ」と、3連覇を見据えて心身ともに調子を上げるべく努めている。

ルカコーチとの熱い師弟関係

以前からチームの中心選手としてA東京を支えている安藤だが、指揮官のルカ・パヴィチェヴィッチから激しく何かを言われるシーンも目にする。実際、昨日の試合後も「チームもですけど、自分も結構怒られたので」と、苦笑いを浮かべた。

余計なお世話だが、見ているこちら側が心配してしまいそうになるくらい険悪な場面に見える時もある。だが、もちろんコミュニケーションは取れており、「オフコートだったらギャグを言い合いますし、普通のめちゃくちゃ良いおっちゃんと名コーチって感じです」と、ルカコーチへの信頼を語った。

ベンチに戻る際、ルカコーチの助言(?)をスルーする場面も多々見られるが、「立ってても長くなっちゃうので、とりあえずみんなとハイタッチして座るのが普通です。悪い原因があるので、それをどれだけ受け止めるかを大事にしています」と、無視をしているのではなく、冷静に直前のプレーと向き合っているようだ。

折しも、A東京の優勝はルカコーチの就任と、安藤が秋田ノーザンハピネッツからレンタル移籍で加入したシーズンから始まった。「3年目なので(笑)」と、良好な師弟関係をアピールする安藤。A東京の3連覇は背番号3の双肩に懸かっている。