*写真は張本智和(JOCエリートアカデミー・左)、平野美宇(日本生命・右)<第3回ユースオリンピック競技大会(アルゼンチン・ブエノスアイレス) 2018年10月6日~10月18日>7日、ユースオリンピック競技大会がいよいよ始まろうとしている…

*写真は張本智和(JOCエリートアカデミー・左)、平野美宇(日本生命・右)

<第3回ユースオリンピック競技大会(アルゼンチン・ブエノスアイレス) 2018年10月6日~10月18日>

7日、ユースオリンピック競技大会がいよいよ始まろうとしている。

ユースオリンピック競技大会は、国際オリンピック委員会(IOC)のジャック・ロゲ会長が2007年に提案した、15歳から18歳までのアスリートを対象とした国際総合競技大会だ。オリンピックと同じく夏季・冬季に分かれ、それぞれ4年ごとに開催されている。(第1回大会はシンガポールで開催。)

日本代表として、張本智和(10月度男子世界ランキング8位・15歳)=JOCエリートアカデミー=、平野美宇(10月度女子世界ランキング9位・18歳)=日本生命=が選出され、18歳以下世界一を目指す。張本は今回日本代表団の主将に選ばれ、大きな注目を集めている。

卓球競技は7日〜15日の開催で、7日〜10日がシングルス競技、12日〜15日が混合団体競技である。(男女1人ずつの合計2人で組む団体戦。)2010年シンガポール大会では丹羽孝希が男子シングルスと混合団体で2冠を飾った。(混合団体ペアは谷岡あゆか)。張本と平野はこの丹羽の快挙に続くことができるのだろうか。今回は、その道を阻む強敵を紹介する。

Load to champion ユース五輪2018

スウェーデンの新星・モアガド、100年に一度の天才、ワルドナーの再来か

現在16歳、スウェーデンのモアガド・トゥルースは世界ランキングは173位だ。

2017年世界ジュニアでは惜しくも中国の薛飛(同203位・19歳)=中国=に敗れ準優勝だが、中国選手が上位を占めた同大会で、ここまで勝ち上がれたことは大いに評価できるだろう。この戦績は、1992年バルセロナオリンピック金メダリスト、そして中国人選手以外で唯一グランドスラム(オリンピック、世界選手権、ワールドカップを優勝すること)を成し遂げた選手であるヤン・オベ・ワルドナー(スウェーデン)を彷彿とさせる。

今年の世界選手権(団体戦)の前哨戦として行われた日本対スウェーデンの試合で張本対モアガドのカードが実現。その際には張本がゲームカウント3-2のフルゲームで勝利している。しかしこの試合はモアガドが2ゲームを先行したところから張本が逆転勝利をしたため、今大会でも油断はならない。

卓球王国・中国のネクストジェネレーション サウスポーの王楚欽

現在18歳、2017年世界ジュニアダブルスチャンピオン、シングルス3位の王楚欽(ワン・チューチン)。10月度の世界ランキングは105位だ。

マレーシアで開催されているT2APACリーグではドイツの皇帝、ティモ・ボル (同3位・37歳)=ドイツ=を破るなど、世界のトップランカーとの同等の実力を持っている。張本が超えなければいけない一番大きな壁なのかもしれない。

“台湾の張本”林昀儒

現在17歳、チャイニーズタイペイの林昀儒 (リン、インジュ)。世界ランキングは41位につけている。林は15歳の時に2016年世界選手権(団体戦)代表デビュー。張本智和が当時14歳の今年世界選手権団体戦デビューを飾ったため、台湾の張本、とも言える逸材であることは間違いない。

今年の世界選手権(団体戦)では日本戦の3番手に登場し、松平健太と熾烈な戦いを繰り広げた。(この試合は松平がゲームカウント3-1で勝利した。)

ダブルスでは今年開催されたワールドツアープラチナ・オーストラリアオープンで3位に入るなど、シニアでの活躍も著しい。

世界ジュニア女王の孫穎莎

現在17歳、世界ランキングは37位の孫穎莎(ソン・イーシャ)。

2017年世界ジュニア選手権女子シングルス決勝では現在世界ランク6位の王曼昱 (同6位・19歳)=中国=を破って優勝した実力の持ち主だ。王曼昱は8月のアジア大会で女子シングルスを制したアジア女王でもある。また、2017年のジャパンオープンでは陳夢 (同5位・24歳)=中国=を破って優勝、同年の中国オープンも劉詩文 (同3位・27歳)=中国=を破り決勝に進出した。

世界ランクこそ平野より下ではあるが、実力は世界トップランカーに相当するため、要警戒の選手とも言えるだろう。

しかし、男子女子共通して、世界での経験値や、ランキングを鑑みれば、張本と平野が優勝する可能性は高いと言えるだろう。東京期待の星が揃うこのユース五輪、一体誰が頂点を制すのか。

文:ラリーズ編集部
写真:千葉格/アフロ