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NBAファイナルにおいて第7戦までもつれ込むシリーズは、激戦の果てに生まれる“運命の一戦”だ。2024-25シーズンは、オクラホマシティ・サンダーとインディアナ・ペイサーズという若きチーム同士の対決が最終戦にもつれた。シリーズを通じて拮抗した戦いを繰り広げ、雌雄は第7戦の舞台で決することになった。
ファイナルで第7戦まで突入するのは、2025年を含めて史上20度目。その舞台では、数々のスーパースターが輝き、数え切れないドラマが生まれてきた。
近年で最も象徴的なのが、2016年のクリーブランド・キャバリアーズvsゴールデンステイト・ウォリアーズ。レギュラーシーズン73勝を挙げた“史上最強”とも呼ばれたウォリアーズに対し、レブロン・ジェームズ率いるキャバリアーズは1勝3敗からの驚異的な逆転劇を展開。第7戦ではレブロンのブロック、カイリー・アービングの決勝スリーが勝敗を分けた。
防御戦として語り継がれるのが2005年のサンアントニオ・スパーズvsデトロイト・ピストンズ。スパーズのティム・ダンカン、マヌ・ジノビリ、ピストンズのチャウンシー・ビラップスらが重厚な攻防を見せたなか、スパーズがホームで栄冠をつかんだ。また、2010年のロサンゼルス・レイカーズvsボストン・セルティックスでは、レイカーズのコービー・ブライアントがフィールドゴールに苦しみながらもリバウンドと気迫で勝利を引き寄せ、悲願のリベンジを果たしている。
伝説的な第7戦をさらに遡る。1962年のセルティックスvsレイカーズは延長戦にもつれる死闘となり、セルティックスのビル・ラッセルが30得点40リバウンドを記録してチームを優勝に導いた。1970年のニューヨーク・ニックスvsレイカーズでは、ケガに苦しむニックスのウィリス・リードが試合開始直前に姿を現し、約27分の出場でチームに勇気を与え、勝利への流れを生んだ。
2025年の第7戦もまた、長い歴史に新たな1ページを刻むことになる。勝者には栄光、敗者には無念の記憶が残る。それが、NBAファイナル第7戦という舞台なのだ。
NBAファイナルが第7戦までもつれた全20シリーズ
(年/勝利チーム/敗北チーム)
1951/ロチェスター・ロイヤルズ(現:サクラメント・キングス)/ニューヨーク・ニックス
1952/ミネアポリス・レイカーズ(現:ロサンゼルス・レイカーズ)/ニューヨーク・ニックス
1954/ミネアポリス・レイカーズ(現:ロサンゼルス・レイカーズ)/シラキュース・ナショナルズ(現:フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)
1955/シラキュース・ナショナルズ(現:フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)/フォートウェイン・ピストンズ(現:デトロイト・ピストンズ)
1957/ボストン・セルティックス/セントルイス・ホークス(現:アトランタ・ホークス)
1960/ボストン・セルティックス/セントルイス・ホークス(現:アトランタ・ホークス)
1962/ボストン・セルティックス/ロサンゼルス・レイカーズ
1966/ボストン・セルティックス/ロサンゼルス・レイカーズ
1969/ボストン・セルティックス/ロサンゼルス・レイカーズ
1970/ニューヨーク・ニックス/ロサンゼルス・レイカーズ
1974/ボストン・セルティックス/ミルウォーキー・バックス
1978/ワシントン・ブレッツ(現:ワシントン・ウィザーズ)/シアトル・スーパーソニックス(現:オクラホマシティ・サンダー)
1984/ボストン・セルティックス/ロサンゼルス・レイカーズ
1988/ロサンゼルス・レイカーズ/デトロイト・ピストンズ
1994/ヒューストン・ロケッツ/ニューヨーク・ニックス
2005/サンアントニオ・スパーズ/デトロイト・ピストンズ
2010/ロサンゼルス・レイカーズ/ボストン・セルティックス
2013/マイアミ・ヒート/サンアントニオ・スパーズ
2016/クリーブランド・キャバリアーズ/ゴールデンステート・ウォリアーズ
2025/(オクラホマシティ・サンダーvsインディアナ・ペイサーズ)